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経営管理ビザの事業計画書で不許可にならない書き方のコツ

「日本で自分の会社を作って、ビジネスを成功させたい!」 そんな夢を持って日本に来る外国人起業家の方が増えています。しかし、その夢を実現するために避けて通れない最大の難所が、在留資格(ビザ)の取得です。

 今回は、経営・管理ビザの審査で最も重要視される「事業計画書」について、初心者の方でも分かりやすく、かつ審査官に「これなら大丈夫だ!」と思わせる作成のポイントを徹底解説します。


1. なぜ「事業計画書」が合否を分けるのか?

出入国在留管理局(入管)が一番見ているのは、「そのビジネスが日本でずっと続けられるか(継続性・安定性)」という点です。

あなたがどれだけ熱意を持っていても、計画がデタラメであれば「この人はすぐにお金がなくなって、日本で生活できなくなるのではないか?」と疑われてしまいます。入管の審査官は、あなたのビジネスのプロではありません。ですから、誰が見ても「なるほど、これなら利益が出るね」と納得できる根拠を示す必要があるのです。

2. 失敗する計画書、成功する計画書

本やインターネットで調べると難しい言葉が並んでいますが、実はポイントはシンプルです。

❌ 不許可になりやすい例(現実味がない) 例えば、中古車販売を始めるとしましょう。「手元の資金は500万円ですが、1年目に中古車を100台売ります!」と書いたとします。これでは不許可になる可能性が高いです。なぜなら、1人だけで、仕入れ先も決まっていない状態で、月に8〜9台も安定して売り続けるのは現実的に厳しいと判断されるからです。

⭕️ 許可の可能性が高まる例(具体的で堅実) 一方で、オンラインの英会話スクールを立ち上げるとします。「自宅近くの家賃5万円のオフィスを借り、1日10名の生徒に、1回5,000円のレッスンを提供します。月22日働けば、月の売上は110万円になります」といった形です。これなら、必要な設備(パソコン、デスク、椅子など)も少なくて済み、500万円の資本金があれば十分に運営を続けられると判断されやすくなります。

3. 「これだけは外せない」作成の8ステップ

プロの視点から、事業計画書に必ず盛り込むべき要素をまとめました。

  1. お金の使い道をハッキリさせる:準備した500万円を、具体的に何に使うか(事務所の保証金、備品、広告費など)を明記します。

  2. 数字に嘘をつかない:売上の予想は「夢」ではなく「現実的な予測」で書きます。

  3. 何を売るのか、誰に売るのか:あなたの商品やサービスの特徴を、中学生が読んでも分かるくらい丁寧に説明します。

  4. どうやってお客さんを集めるか:店舗で待つのか、SNSで広告を打つのか、具体的な集客ルートを書きます。

  5. 協力者の存在:日本人のパートナーやアドバイザーがいる場合は、そのサポート体制をアピールします。

  6. 人を雇う計画:従業員を雇うなら、その人に何を任せ、いくら給料を払うのかを詳しく書きます。

  7. 資金調達の方法:そのお金はどこから来たのか(自分の貯金か、親からの贈与か)を証明する必要があります。

  8. 日本で行う意味:なぜ「日本」でそのビジネスをやる必要があるのか、社会的な意義も添えると印象が良くなります。

4. 公的な基準から見る「経営・管理」ビザの条件

ここで、出入国在留管理局が公表している基本的な条件を再確認しましょう。

  • 事業所の確保:ビジネスを行うための専用のオフィスや店舗が必要です。住居用のアパートをそのまま使うことは原則できません。

  • 事業の規模:以下のいずれかに該当する必要があります。

    • 2名以上の常勤職員(日本人や永住者など)を雇用する。

    • 資本金の額が3,000万円以上である。

  • 経営能力:申請人の経歴が、これから行うビジネスと関連しているとより有利です。

※参照元:出入国在留管理局「在留資格『経営・管理』の認定申請について」

5. 【必見】よくある疑問を解決!Q&Aコーナー

Q1:資本金の3,000万円は、ビザが取れたらすぐに使ってもいいですか?

A1:はい、もちろんです! 資本金は「見せ金」ではありません。事務所の家賃、商品の仕入れ、広告宣伝費、あなたの役員報酬など、事業のために正当に使うのであれば全く問題ありません。むしろ、全く使わずに残っている方が「本当に仕事をしているのか?」と疑われることもあります。ただし、何に使ったか領収書は必ず保管しておきましょう。

Q2:1年目が赤字だったら、ビザの更新はできませんか?

A2:1年目ならチャンスはあります。 新しいビジネスが最初から黒字になるのが難しいことは入管も理解しています。1年目が赤字でも、2年目に黒字化する具体的な見通し(修正した事業計画書)を提出できれば、更新ができる可能性は十分にあります。諦めずに専門家に相談してください。

Q3:自宅兼事務所(住んでいる家の一部をオフィスにする)でも許可は取れますか?

A3:かなりハードルが高いですが、条件次第です。 原則として、住居と事務所は入り口が分かれているなど、明確に区切られている必要があります。もし自宅兼事務所にするなら、公共料金(電気代など)の負担割合や、仕事専用のスペースであることを証明する写真、賃貸借契約書に「事務所としての使用を許可する」という大家さんの承諾書が必要です。

結びに

経営・管理ビザの取得は、あなたの日本での起業家人生の「スタートライン」です。 書類を作るのが目的ではなく、そのビジネスを成功させることが本当の目的のはず。私たち行政書士は、その第一歩を確実に踏み出せるよう、法律の面から全力でサポートします。

もし、「自分の考えたビジネスでビザが取れるか不安だ」「書類作成に自信がない」という方は、ぜひ一度、ビザ専門の行政書士相談しましょう。

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