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【ビザ取消し】虚偽の申請や不正書類のリスク

日本で生活し、働いている外国人の皆さんにとって、最も大切なものは「在留資格(ビザ)」です。しかし、意図的であるかないかにかかわらず、申請内容に「嘘」や「間違い」があった場合、せっかく取得したビザが取り消されてしまう厳しいルールがあることをご存知でしょうか。

今回は、入管法第22条の4に定められている「不正な手段による在留資格の取消し」について、分かりやすく解説します。

1. 在留資格が取り消される「4つのケース」とは?

日本の法律(入管法)では、不正な方法で許可を受けた場合、大きく分けて4つのパターンでビザを取り消すと決めています。

① 上陸拒否の理由を隠して入国した場合

本来、過去に強制退去になったことがある人や、犯罪歴がある人は、一定期間日本に入国できません(上陸拒否)。これを隠すために、名前を変えたパスポートを使ったり、嘘の申告をして入国許可をもらった場合がこれに当たります。

② 申請内容そのものに嘘がある場合(活動内容の偽装)

「技術・人文知識・国際業務」のビザを取るのに、実際は単純労働をするつもりだったり、学校に行かないのに「留学」ビザを申請したりする場合です。また、ビザをもらうためだけの「偽装結婚」も、このケースに該当します。

③ 本人に自覚がなくても「書類が嘘」だった場合

ここが最も注意すべき点です。自分では嘘をついたつもりがなくても、所属する会社や学校が提出した書類(決算書や出席証明書など)に事実と違う内容が含まれていた場合です。本人に「騙すつもり」がなかったとしても、客観的に見て書類が偽物であれば、ビザ取消しの対象になります。

④ 特別な許可を不正に受けた場合

本来なら日本にいられない事情がある人が、嘘の事情を話して「在留特別許可」などを受けた場合です。


2. なぜ「知らなかった」では済まされないのか

入管局の審査は、提出された「書類」がすべてです。 特に上記③のケースでは、本人が知らないところで会社やエージェントが数字を水増しした書類を出していることがあります。しかし、法律上は「その書類によって許可が出た」という事実が重要視されるため、後から「私は知りませんでした」と言っても、許可を取り消されてしまう可能性が非常に高いのです。

3. もし在留資格が取り消されたらどうなる?

取消しの対象になると、入管局から「意見聴取」の通知が届きます。その後、実際に取り消されると、以下のような厳しい措置が待っています。

  • 直ちに強制退去: 悪質な場合は、その場ですぐに収容・退去となります。

  • 出国期限の指定: 30日などの短い期間内に、自分の責任で日本を出なければなりません。

  • 再入国の制限: 一度取消しを受けると、その後の再申請は非常に厳しくなります。

4. トラブルを防ぐための3つのアドバイス

行政書士として、多くの相談を受けてきた経験から、皆さんに守ってほしいポイントがあります。

  1. 署名する書類の内容を必ず確認する 会社や学校、エージェントから「ここにサインして」と言われた書類。内容が分からないままサインするのは絶対にやめてください。自分の経歴や学歴、給料の額などが正しく書かれているか、翻訳アプリを使ってでも確認しましょう。

  2. SNSや「知り合い」の甘い言葉に注意 「書類を偽造してくれる」「簡単にビザが取れる」といった違法なサービスを利用した履歴は、数年経っても入管局に把握されるリスクがあります。

  3. 不安な時は専門家(行政書士)に相談する 過去に少しでも事実に反する書類を出してしまったかもしれない、と不安になった場合は、早めに専門家に相談し、適切な対応(修正申告など)を検討することが大切です。

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