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外国人向け傷病手当金ガイド!病気やケガで休む時の手当とVISAへの影響

Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

1. はじめに:日本で働く外国人のみなさんへ

日本で会社員として一生懸命働いている中で、突然の病気や不慮のケガに見舞われ、仕事を休まなければならなくなったらどうしますか?「会社を休んだら給料がもらえなくなって、生活できなくなるかもしれない」「家賃や光熱費はどう払えばいいのだろう」と、大きな不安を感じる外国人の方はとても多いです。

こんにちは。当サイトでは、日本の在留資格(VISA)を専門に扱う行政書士が、日本で生活する外国人の方々の暮らしや手続きに役立つ情報を分かりやすく解説しています。

実は、日本には会社員が病気やケガで長期間仕事を休んだときに、生活を守るための心強い公的なサポート制度が存在します。それが「傷病手当金(しょうびょうてあてきん)」です。この制度は、日本人だけのものではありません。条件を満たしていれば、日本で働く外国人のみなさんも全く同じように受け取ることができます。

この記事では、傷病手当金がどのような制度なのか、どうすればもらえるのか、そして気になる「在留資格(VISA)への影響」まで、難しい法律用語を一切使わずに優しく丁寧に説明します。ぜひ最後まで読んで、万が一のときの安心を手に入れてください。

2. 傷病手当金とは?分かりやすく仕組みを解説

傷病手当金とは、一言でいうと「病気やケガの治療のために会社を休み、お給料が出なくなった期間の生活費を国(健康保険)が一部サポートしてくれる手当」です。

日本の会社で正社員や一定以上の時間働くアルバイト・パートとして雇用されていると、会社の「健康保険(社会保険)」に加入することになります。この健康保険の仕組みの中に、この手当が含まれています。

なぜこの制度があるの?

もし仕事を休んでお給料がゼロになってしまったら、自分だけでなく一緒に暮らす家族の生活も行き詰まってしまいますよね。そうした事態を防ぎ、安心して治療に専念して一日も早く職場に復帰できるようにするために、この制度が作られました。

3. 外国人でももらえる?クリアすべき4つの必須条件

結論から申し上げますと、外国人であっても「会社の健康保険に入っている被保険者(本人)」であれば、国籍に関係なく全員に受給する権利があります。

ただし、誰でも無条件でもらえるわけではありません。次の4つの条件をすべて満たしている必要があります。

条件①:仕事とは関係のない病気やケガの治療で休んでいること

風邪、胃潰瘍、うつ病などの病気や、休日にプライベートで転んで骨折したといったケガが対象です。

※注意:仕事中や通勤途中のケガ・病気は、別の制度である「労災保険(ろうさいほけん)」の対象になるため、傷病手当金は使えません。

条件②:医師から「仕事ができる状態ではない」と認められていること

自分自身の自己判断で「しんどいから休む」というだけでは認められません。必ず病院の医師の診察を受け、医師が「今の状態では働くことができない」と証明してくれる必要があります。

条件③:連続して3日間休んだ後、4日目以降も仕事を休んでいること

ここが一番間違いやすいポイントです。仕事を休み始めて最初の3日間のことを「待期期間(たいききかん)」と呼びます。この3日間は手当が出ません。連続して3日間休んだ上で、4日目以降も仕事に行けなかった場合に、その4日目の分から手当が支給されます。

※この最初の3日間には、会社の公休日(土曜日、日曜日、祝日)や、有給休暇を使った日も含めてカウントして構いません。

条件④:休んでいる期間中、会社からお給料が出ないこと

生活をサポートするための手当ですので、休んでいる間も会社から普段通りのお給料が全額支払われている場合は支給されません。ただし、会社からお給料が少しだけ出ているものの、その金額が「傷病手当金でもらえるはずの金額」よりも少ない場合は、足りない分の差額を受け取ることができます。

4. いくらもらえる?手当の計算方法

一番気になるのは「具体的にいくらのお金が手元に入るのか」という点ですよね。

傷病手当金として1日あたりに支給される金額は、ざっくり言うと「あなたが出勤していたときのお給料(基本給や各種手当を含んだ総支給額)の約3分の2」です。

正確な計算のルール

過去1年間の「標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)」という、お給料のランクのようなものの平均値をベースに計算します。

例えば、毎月の総支給額がおおよそ30万円の方の場合、1日あたり約6,666円が支給されます。これを1ヶ月(30日)休んだとすると、約20万円を受け取ることができる計算になります。これだけのお金が支給されれば、休業中の家賃や生活費をかなりカバーできますよね。

5. いつまで使える?もらえる期間の数え方

病気の種類によっては、治療が長引くこともあります。この手当は一体いつまで受け取ることができるのでしょうか。

現在のルールでは、「支給が始まってから通算して最長1年6ヶ月の間」受け取ることができます。

「通算(つうさん)」とはどういう意味?

以前の古いルールでは、一度支給が始まると、途中で体調が良くなって一時的に仕事に復帰した期間があっても「開始日からカレンダー通りに1年6ヶ月が経ったら終了」となっていました。

しかし、2022年1月1日の法改正により、現在では「実際に手当をもらった日数」を合計して1年6ヶ月(540日分)になるまで使えるようになりました。

例えば、がんの治療やメンタルの病気などで、「入院して仕事を休む(手当をもらう) → 体調が回復して数ヶ月復帰する(手当を止める) → 再発してまた休む(手当を再開する)」というように、入退院を繰り返すようなケースでも、職場復帰していた期間を除外して、まるまる1年6ヶ月分の手当を受け取ることができるため、非常に安心できる仕組みになっています。

6. 【超重要】外国人特有の注意点!在留資格(VISA)への影響は?

ここからは、日本のVISA専門の行政書士として、外国人の方が最も心配される「仕事を長期間休むと、今のVISAや次の更新に悪い影響があるのか?」という点について詳しく解説します。

結論から言うと、しっかりと正しい手続きを行って傷病手当金をもらいながら療養している場合、それだけの理由で即座にVISAが取り消されたり、不許可になったりすることは通常ありません。 ただし、以下の公的なルールとポイントを必ず押さえておく必要があります。

①「就労資格」の活動を3ヶ月以上行っていない問題について

「技術・人文知識・国際業務」などの就労VISAを持っている方は、正当な理由なく3ヶ月以上そのVISAの活動(会社での仕事)を行っていない場合、出入国在留管理庁から在留資格を取り消される可能性があるというルールがあります。

しかし、「病気やケガの治療のための長期休職」は、出入国在留管理庁の規定において「正当な理由」として認められます。 自分が怠けて働いていないわけではなく、治療のためにやむを得ず休んでいるという証明(医師の診断書や、会社からの休職証明書、傷病手当金の決定通知書など)があれば問題ありません。

② VISA更新(在留期間更新許可申請)時の注意点

VISAの更新時期がやってきたときに仕事を休んでいる最中だと、「日本でこれからも安定して生活していける経済力があるか」を出入国在留管理庁に審査されます。

その際、無収入だと厳しくなりますが、「現在、傷病手当金を受給して生活を維持しており、医師の診断の通り〇ヶ月後には職場復帰できる見込みである」ということを、会社が作成した復職予定証明書や医師の診断書を添えてしっかりと説明・立証すれば、更新が許可される可能性は十分にあります。

7. 外国人のための「これ知りたかった!」疑問解消Q&A

Q1. 日本に来たばかり(今の会社に入社して数ヶ月)ですが、傷病手当金はもらえますか?

A1. はい、条件を満たしていればもらえます!

「過去1年間の給与ランクの平均」を使って金額を計算するルールがあるため、入社して1年に満たない方は「自分が入社してからの数ヶ月の平均」か「健康保険組合全体の平均データ」のどちらか低い方の金額をベースに計算されます。もらえる金額が少し変動することはありますが、受給する権利そのものは日本の会社に入社して健康保険に入ったその日から発生しますので安心してください。

Q2. 傷病手当金をもらっている期間中に、会社の契約期間が終わって退職することになりました。退職したら手当は打ち切られますか?

A2. 一定の条件を満たしていれば、会社を辞めた後も引き続き手当を受け取ることができます!

会社を辞める日までに、以下の2つの条件をクリアしていれば、退職後も残りの期間(最長1年6ヶ月まで)手当をもらい続けることが可能です。

  1. 健康保険の被保険者だった期間が、退職日までに継続して1年以上あること(※前の会社と今の会社で、1日も空白なく健康保険が繋がっていれば合算できます)

  2. 退職する日の時点で、すでに傷病手当金を受け取っているか、または受給できる条件(4日以上仕事を休んでいる状態)を満たしていること

    ※注意点として、退職日に一度でも挨拶などで出勤してしまうと、「働ける状態になった」とみなされて退職後の手当が出なくなってしまいます。退職日も必ず仕事を休んでいる必要があります。

Q3. 病気で体が動かせず、自分で申請手続きができません。また、日本語の書類を書くのが難しいです。どうすればいいですか?

A3. 会社の総務担当部署(人事や労務)にお願いしてサポートしてもらいましょう!

傷病手当金の申請書には、あなた自身が書く欄だけでなく、「会社が勤務状況やお給料を証明する欄」と「お医者さんが病状を証明する欄」があります。一般的には、会社の担当者が書類を用意してくれ、本人欄の書き方を教えてくれたり、手続きを代行してくれたりすることが多いです。日本語の書類で分からない部分があれば、まずは会社の担当部署や、専門家へ遠慮なく相談してください。

8. まとめ:一人で悩まずに専門家や会社に相談を

日本で働く外国人の方にとって、病気やケガで働けなくなることは本当に不安なことです。しかし、日本には外国人労働者の生活もしっかりと支える「傷病手当金」という素晴らしい制度が用意されています。

この制度を利用して、お金の心配を減らし、まずは体を治すことに100%集中してください。そして、休業が長引く場合や、次のVISA更新の時期が近づいてきて不安なときは、決して一人で抱え込まずに、出入国管理局の公的な相談窓口や、VISA専門の行政書士へお早めにご相談ください。

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