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赤字でも経営管理ビザは更新できる?事業継続性の審査基準を専門家が徹底解説

Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

日本で会社を設立し、ビジネスに奮闘している外国人経営者の皆様。日々の経営、本当にお疲れ様です。 会社を経営していると、予期せぬトラブルや初期投資の負担などで「今年の決算、赤字になってしまいそう……」と頭を抱える年もあるかと思います。

そのとき、最も心配になるのが「赤字決算だと、経営・管理ビザの更新ができなくなるのではないか?」ということですよね。

結論から言うと、「1年赤字になったからといって、すぐにビザの更新が不許可になるわけではありません」。 出入国在留管理局(入管)の審査において最も重視されるのは、今の赤字・黒字という単年度の結果だけではなく、「事業の継続性」(これからも安定してビジネスを続けていける能力があるか)です。

この記事では、入管が会社の決算書をどのようにチェックしているのか、難しい法律用語や会計用語をわかりやすく噛み砕いて解説します。ご自身の会社の状況と照らし合わせて、次回のビザ更新に向けた対策の参考にしてください。

経営管理ビザの更新で最も重視される「事業の継続性」とは?

経営・管理ビザの更新審査では、入管はあなたの会社の「決算書(貸借対照表や損益計算書)」を厳しくチェックします。 その目的は、「この外国人の会社は、日本で今後も確実に事業を続けていけるのか?」を見極めるためです。

ビジネスですから、様々な理由で赤字になることは入管も理解しています。そのため、単に「今年の利益がマイナスだからダメ」と判断するのではなく、会社の資産状況(貯金や借金のバランス)を含めて総合的に審査されます。

もし、借金ばかりが増えていくような危険な状態であれば、「どこからお金を借りているのか?」「本当にビジネスとして成り立っているのか?」など、活動の実態まで慎重に調査されることになります。

決算状況でわかる!ビザ更新の審査基準(3つのパターン)

入管の審査では、会社の財務状況を大きく3つのパターンに分けて事業の継続性を判断します。専門用語を避けて、わかりやすく解説しましょう。

パターン1:過去の利益の蓄積(貯金)がある場合【問題なし】

ビジネスが好調で利益が出ている場合はもちろん問題ありません。 では、「今年は赤字(純損失)を出してしまったけれど、過去数年で稼いだ利益の蓄積(剰余金)がまだ会社に残っている」という場合はどうでしょうか?

この場合、ビザ更新への重大な悪影響はありません。 「今年はたまたまマイナスだったけれど、会社全体で見ればまだ体力(資金)がある」とみなされるため、事業の継続性は認められ、スムーズに更新できる可能性が高いです。

パターン2:会社の体力がマイナス(欠損金)になっている場合【要注意】

過去の貯金を使い果たし、会社全体としてマイナス(欠損金)が出てしまっている状態です。この場合は、状況の深刻度によって入管の対応が変わります。

① まだ「借金が資産を上回る状態(債務超過)」ではない場合 マイナスにはなっているものの、持っている現金や資産で借金を返せる範囲であれば、「今後どうやって利益を出していくのか」を説明する「事業計画書」「次期の収益予想」の提出が求められます。これらをしっかり提出できれば更新は可能です。

② 今年から「借金が資産を上回る状態(債務超過)」になってしまった場合 これは非常に危険なサインです。「債務超過」とは、会社の資産をすべて売っても借金を返しきれない状態のこと。一般的に、会社としての信用が落ち、事業を続けるのが危ぶまれる状態です。 ただし、「1年以内に経営状態が回復する具体的な見通し」があれば、まだ首の皮一枚つながります。この場合、経営者本人の言い分だけでなく、中小企業診断士や公認会計士といった「国が認めた経営・財務の専門家」が客観的に作成した評価書を提出しなければ、事業の継続性は認められません。

③ 2年連続で「借金が資産を上回る状態(債務超過)」の場合 1年以上も債務超過が続いている場合は、「事業を続けるのは極めて困難」と判断されます。 この状態からビザを更新するには、他の企業から資金援助を受けたり、買収による救済を受けたりするなどの「劇的な改善計画」がない限り、経営・管理ビザの更新はほぼ不可能になります。

パターン3:そもそも「本業で利益が出ていない」場合【更新困難】

会計の言葉で「売上総利益」というものがあります。これは、売上から原価(商品の仕入れ代など)を引いた、ビジネスの根幹となる利益のことです。 もし、直近の2年間連続で、この売上総利益すら出ていない(マイナスである)場合、入管は「この会社はそもそもビジネスとして成り立っていない」と判断します。 この状態が続けば、会社の存続自体が難しいため、経営管理ビザの更新は認められません。

【公的機関の情報】入管は赤字決算をどう見ているのか?

ここまで決算の状況に応じた審査基準をお伝えしましたが、これらは一部の専門家の憶測ではなく、日本の政府機関が明確にガイドラインとして発表しているものです。

この公的なガイドラインでも、明確に以下の趣旨が記載されています。

  • 単年度の決算の赤字のみをもって、直ちに在留期間更新を不許可とするものではない。

  • 貸借対照表(B/S)の「債務超過」の有無が、極めて重要な判断指標となる。

  • 債務超過の場合は、公的資格を持つ第三者(中小企業診断士等)による評価が必須となる。

つまり、「赤字=即アウト」ではなく、「どのような理由の赤字で、どうやって立て直すのか」を公的なルールに則って論理的に説明できるかが、ビザ更新の最大の鍵となるのです。

外国人経営者がよく悩むQ&A 3選(これ知りたかった!)

Q1. 会社を設立して1年目です。初期投資がかかりすぎて、最初の決算が赤字になりそうです。初めての更新は不許可になってしまいますか?

A1. 1年目の赤字は珍しいことではないので、焦らなくて大丈夫です。 会社を始めたばかりの頃は、設備投資や広告費、オフィスの家賃などで経費が先行するため、赤字になることは多々あります。入管もそれを理解しています。しっかりと「なぜ赤字になったのか(初期投資のため等)」「来年以降どのように売上を上げて黒字にしていくのか」を記した具体的な事業計画書を作成し、提出すれば、問題なく更新できるケースがほとんどです。

Q2. 税理士から「債務超過になりそうだ」と言われました。入管から「中小企業診断士の評価書」を求められると聞きましたが、どうやって探せばいいですか?

A2. ビザに詳しい専門家(行政書士など)のネットワークを活用するのが一番安全です。 債務超過になった場合、入管を納得させる精緻な再建計画を「中小企業診断士」などの専門家に書いてもらう必要があります。しかし、一般の中小企業診断士は「入管の審査基準(ビザの法律)」までは知りません。ビザ更新の要点を押さえた評価書を作成してもらうためには、日頃から入管業務を専門にしている行政書士に相談し、そこから適切な診断士を紹介してもらうのが最も確実なルートです。

Q3. 取引先の倒産などの影響で、どうしても2年連続で赤字(債務超過)になってしまいました。もう日本にいられませんか?

A3. 非常に厳しい状況ですが、諦める前に必ず専門家に相談してください。 原則として、2期連続の債務超過はビザ更新が極めて困難(不許可リスク大)です。しかし、「増資(資本金を増やす)」を行って債務超過を解消したり、別の会社に事業を譲渡・統合(M&A)して再出発を図るなど、やり方次第で在留資格を維持できる可能性はゼロではありません。ご自身で安易に申請して不許可になる前に、必ず決算書が確定する前の段階で、在留資格専門の行政書士にご相談ください。

まとめ:経営管理ビザの更新は「決算前」の対策が命!

経営管理ビザの更新は、他の就労ビザと比べて提出する書類が多く、審査も厳格です。 一度決算書として数字が確定して税務署に申告してしまうと、後からその数字を変えることはできません。「ビザの期限が近づいてから慌てて更新手続きをする」のではなく、「決算月の数ヶ月前から税理士と状況を確認し、もし赤字や債務超過になりそうなら、事前に行政書士に対策を相談する」という連携が、日本で長くビジネスを続けるための絶対条件です。

もし、次回のビザ更新に少しでも不安がある方や、「自社の決算書がビザ審査においてどのパターンに当てはまるのかわからない」という方は、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。多言語で経営者の皆様をしっかりとサポートいたします!

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Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

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