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帰化申請「生計の概要」の書き方ガイド!収入・資産の審査基準を専門家が解説

日本での暮らしが長くなり、「これからもずっと日本で暮らしたい」「日本の国籍を取得したい」と考える方が増えています。日本国籍を取得するための手続きを「帰化申請」と言いますが、この審査の中で非常に重要視されるのが「生計要件(せいけいようけん)」、つまり「日本で安定して暮らしていけるお金があるかどうか」です。

その証明のために作成する書類が「生計の概要(せいけいのがいよう)」です。今回は、この書類の書き方や注意点について、初めての方でも分かりやすく解説します。


1. 「生計の概要」とはどんな書類?

帰化申請をする際、法務局(ほうむきょく)に提出しなければならない書類の中に「生計の概要」というものがあります。これには「その1」と「その2」の2種類があり、簡単に言うと以下のような内容を報告します。

  • 生計の概要(その1): 毎月の「お金の流れ(収入と支出)」

  • 生計の概要(その2): 現在持っている「財産(貯金や家など)」

審査官はこの書類を見て、「この人は借金で困っていないか?」「家族全員で協力して生活できているか?」をチェックします。


2. 「生計の概要(その1)」の書き方:毎月の収支

この書類では、同じ家で暮らしている家族全員の収支を記載します。

① 収入について

ここには、申請する月の「前月分」の収入を、税金などが引かれた後の「手取り額」で記入します。

  • 働いている場合: 給与明細の振込額を確認しましょう。

  • 仕送りを受けている場合: もし別居している親族から仕送りをもらっているなら、その金額も収入として認められます。備考欄には「誰から、どんな関係の人から」もらっているかを詳しく書く必要があります。

② 支出について

支出は、主に以下の6つの項目に分類して記入します。これらに当てはまらないものは「その他」としてまとめます。

  1. 食費: 毎月のお米代や外食代など。

  2. 住居費: 家賃や管理費、または住宅ローンの支払い。

  3. 教育費: 子供の学校の月謝や塾の費用。

  4. 返済金: 車のローンやクレジットカードのリボ払いなど。

  5. 保険料: 生命保険や損害保険の掛け金。

  6. 預貯金: 毎月、貯金に回せている金額。

③ 負債(借金)について

もし、銀行などからお金を借りている場合は、その目的(何のために借りたか)、借りた先、残りの金額、いつまでに返す予定かを正直に書かなければなりません。


3. 「生計の概要(その2)」の書き方:あなたの資産

ここでは、現在持っている大切な資産を報告します。日本国内のものだけでなく、母国(海外)に持っている資産も書く必要があるのがポイントです。

  1. 不動産: 土地やマンション、一戸建てなど。面積や今の価値(時価)、誰の名義かを書きます。

  2. 預貯金: 銀行名、名義、現在の残高。

  3. 株や債券: 投資をしている場合は、その評価額。

  4. 高価な動産: 1つあたりの価値がおおむね100万円以上のものを指します。例えば、高級車や高価な貴金属などが該当します。


4. 専門家が教える!審査を左右する「生計要件」のポイント

公的な基準として、出入国在留管理局の「永住許可」と、法務局の「帰化」では、生計の考え方が少し異なりますが、共通しているのは「継続的な安定性」です。

税金と年金の未払いは厳禁

いくら収入が多くても、住民税や所得税、健康保険、年金を期限通りに払っていないと、帰化の許可は非常に厳しくなります。

収入の目安

具体的な金額は決まっていませんが、生活保護を受けずに、家族が日本で自立して生活できるレベルが求められます。単身者の場合、一般的には手取りで月額20万円程度が一つの目安と言われることもありますが、住んでいる地域や家族構成によって変動します。


5. 読者の心を掴む!帰化申請Q&A

読者の皆さんが不安に思うポイントを3つピックアップしました。

Q1:転職したばかりですが、帰化申請はできますか?

A: 転職自体は問題ありませんが、給与が大幅に下がったり、試用期間(見習い期間)中だったりすると、「安定性」に欠けると判断される可能性があります。できれば新しい職場で数ヶ月から1年程度勤務し、給与の実績ができてから申請するのがスムーズです。

Q2:現在、住宅ローンや車のローンがあります。審査に不利ですか?

A: ローンがあること自体はマイナスではありません。大切なのは「年収に対して返済額が多すぎないか」「支払いが遅れていないか」です。計画的に返済できていれば、家や車を持っていることはむしろ「日本に根付いて生活している」というプラスの評価に繋がることもあります。

Q3:妻(夫)が専業主婦で収入がありません。私は一人で家族を養っていますが大丈夫ですか?

A: 全く問題ありません。「生計の概要」は世帯単位で見ます。世帯主であるあなたの収入で、家族全員が余裕を持って暮らせていることが証明できれば、配偶者に収入がなくても審査には通り得ます。


6. まとめ:正直に、そして正確に書くことが近道

「生計の概要」を作成する上で一番大切なことは、通帳や給与明細と1円単位で整合性を取ることです。法務局の担当者は、あなたが提出した他の書類(納税証明書や源泉徴収票など)と照らし合わせます。ここで数字がズレていると、「嘘をついているのではないか?」と疑われてしまう原因になります。

帰化申請は、あなたの人生を決める大きな手続きです。もし書類の作成に不安がある場合や、自分の収入で条件を満たしているか知りたい場合は、専門家にご相談ください。

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