日本で一生懸命働いているのに、「約束された給料が支払われない」「勝手に寮費や食費を引かれて、手元にお金がほとんど残らない」。そんな辛い状況に追い込まれている外国の方が少なくありません。
特に、文化や言葉の壁がある環境では、「私が外国人だから仕方がないのかも」「通報したらビザが取り消されるのでは?」と不安を抱え込み、泣き寝入りしてしまうケースが多く見られます。しかし、断言します。日本で働くすべての人には、たとえどのような状況であれ、法的に守られる権利があります。
この記事では、給料未払いに悩む外国人の皆さんが、自分の身を守り、正当な給料を受け取るために知っておくべき知識を解説します。
日本の法律は、あなたの味方です
まず知っていただきたいのは、日本の法律(労働基準法など)は、働く人全員を守るためのものだということです。たとえ就労資格がない状況であっても、会社側が「違法状態だから給料は払わなくていい」と主張することはできません。
給料は、法律によって以下の「5つの原則」が守られています。
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通貨で支払うこと(現金や銀行振込など)
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直接本人に手渡すこと
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全額を支払うこと
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毎月1回以上支払うこと
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決まった日に支払うこと
もし、会社があなたの同意なく、寮費や食費、作業着代、あるいは勝手な名目で給料からお金を引いているなら、それは法律違反の可能性が高いです。また、「日本に来るための旅費を立て替えたから、その分を給料から天引きする」という行為も、法律では認められていません。
会社が給料を支払ってくれない時のステップ
もし今、給料が支払われていないなら、一人で抱え込まず、以下の機関に相談しましょう。これらは、皆さんが適法に働いているかどうかに関わらず、労働問題として相談に乗ってくれる場所です。
1. 労働基準監督署(労基署)への相談 日本全国の各地域に設置されている役所です。ここでは、会社が給料を支払わない問題について相談し、必要であれば会社への調査や指導を求めることができます。
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ポイント: 言葉に不安がある場合は、「通訳はいますか?」と聞いてみてください。曜日によって多言語対応している窓口もあります。
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重要な権利: 労基署に相談したことを理由に、入管に「この外国人は不正に働いている」と通報することは許されていません。相談が直ちに退去強制につながることはありませんので、安心してください。
2. 専門家や支援団体の活用 最近では、各都道府県に「外国人雇用管理アドバイザー」が配置されています。また、弁護士会や各地のNGO、NPOなどの支援団体も、外国人の権利を守る活動をしています。困ったときは、こうした第三者の力を借りるのが解決への近道です。
読者が気になる「Q&A」
Q1:会社に「通報するぞ」と脅されています。相談したら強制帰国させられますか?
A:いいえ、大丈夫です。給料未払いの事実を相談したからといって、労基署がすぐに入管へ通報するようなことはありません。労働基準法は、あなたが安心して働ける権利を守るための法律であり、会社による「通報」という脅しに屈する必要は全くありません。
Q2:契約書で「寮費を引く」と書かれていました。それでも法律違反ですか?
A:給料から天引きするためには、労働者と使用者との間で「労使協定」という正式な書面による合意が必要です。口約束だけで勝手に引かれたり、明らかに不当な高額を差し引かれたりしている場合は違法です。まずは何の名目でいくら引かれているのか、明細を整理しましょう。
Q3:もし会社が倒産しそうと言われたら、給料はもう諦めるしかないのでしょうか?
A:諦めないでください。「未払賃金立替払制度」という国の制度があります。会社が倒産して給料が支払われない場合、国が未払い賃金の一定額を立て替えて支払ってくれる制度です。会社が経済的に立ち行かなくなった場合でも、労働者を守るためのセーフティネットが存在します。
まとめ:あなたの権利を守るために
日本で働く中で、困ったことがあれば「誰かに相談すること」が何よりも大切です。証拠となる「雇用契約書」「給料明細」「会社とのやり取りの履歴(LINEやメール)」などを日頃から保存しておくことも、いざという時の助けになります。
私たちは、皆さんが日本で安心していきいきと働けることを心から願っています。もし労働環境に疑問を感じたら、まずは社労士のような専門家や、役所の労働相談窓口へ一歩踏み出してみてください。