日本に住む外国人の方々にとって、在留資格は日本での生活を支える命綱です。「一度VISAを取得すれば安心」と思われがちですが、実は法律には「定められた活動を一定期間続けて行わない場合、在留資格が取り消される可能性がある」という厳しいルールが存在することをご存知でしょうか。
特に、仕事をしていない期間が長引いたり、配偶者との同居を止めてしまった場合、知らないうちに「取消事由」に該当してしまうリスクがあります。今回は、もしもの時に備えて知っておくべき「正当な理由」の考え方について解説します。
在留資格は「活動」が前提
日本のVISAは、基本的に「日本で何を目的として活動するか」という活動内容に基づいて許可が下ります。そのため、その活動を長期間やめてしまうことは、VISAを与えられた前提条件が崩れたとみなされます。
入管法では、大きく分けて以下の2つのケースで取り消しの対象となる可能性があります。
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就労系VISAなどの場合(3ヶ月以上、活動を行わない場合)
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「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」の場合(6ヶ月以上、配偶者としての活動を行わない場合)
しかし、入管法は機械的に取り消しを行うわけではありません。入院や育児、DVなどの「やむを得ない事情」がある場合は、「正当な理由」として認められることがあります。
就労VISAで活動できない時の「正当な理由」
例えば、転職活動中であったり、病気で働けなくなった場合などが該当します。ここでのポイントは「本人の意思で活動を止めているわけではない」という客観的な証明です。
単に仕事が見つからないという理由だけでは弱いですが、以下のような状況は考慮されます。
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長期入院や重病による療養: 診断書などで活動が困難であることが証明できる場合。
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育児などの家庭的な事情: 夫婦間でやむを得ない事情があり、別居せざるを得ない場合など、生活の実態が伴っていれば即座に取り消しとはなりません。
配偶者VISAで別居する際の注意点
「日本人の配偶者等」のVISAを持っている方が、配偶者と離れて暮らすことになった場合、これが最も不安の種になることが多いです。この場合、「正当な理由」とは何でしょうか。
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DV(ドメスティック・バイオレンス)からの避難: 身の安全を守るための避難は当然に正当な理由として扱われます。
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一時的な不仲: 関係修復を前提とした一時的な別居であれば、即座に取消対象とはなりません。
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本国の親族の介護や病気: 親族のケアのために一時的に帰国し、長期間日本を離れる場合。
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離婚調停・訴訟中: 夫婦関係の清算のための手続き期間中であること。
これらはあくまで一例です。重要なのは「婚姻の実態が完全になくなったわけではない」ということを説明できる準備があるかどうかです。
よくある質問(Q&A)
Q1:仕事を探していますが、3ヶ月以上仕事が決まりません。すぐにVISAは取り消されますか?
A1:直ちに取消しが決まるわけではありません。しかし、入管から「活動状況」について報告を求められた際、求職活動をしていた記録(面接の案内や応募書類など)を提示できることが重要です。「活動する意思はあるが、見つからない」という状況を証明できるようにしておきましょう。
Q2:配偶者と喧嘩をして家を出ました。どれくらいの期間まで許されますか?
A2:期間の長さよりも「婚姻を継続する意思があるか」が重視されます。別居が半年を超える場合、入管は「生活の実態がなくなったのでは?」と判断し始めます。別居が続く場合は、その理由をいつでも説明できるようにしておくか、状況が深刻な場合は専門家へ相談することをお勧めします。
Q3:病気で半年以上働けないのですが、診断書があれば大丈夫でしょうか?
A3:原則として、診断書は強力な根拠になります。ただし、病気の間も日本で生活を続けるのであれば、治療経過を適宜報告できる状態にしておくことが大切です。不安な場合は、事前に管轄の入管局へ相談記録を残すことも一つの手段です。
専門家からのアドバイス
在留資格の取消しは、突然決定が下るものではありません。多くの場合、まずは「活動状況」に関する通知が届き、事情聴取(弁明の機会の付与)が行われます。そこで適切な理由を説明できれば、多くの場合、取消しは回避できます。
もし、ご自身の状況が「正当な理由」に当たるのか不安な場合は、一人で抱え込まずに専門家である当事務所へご相談ください。法律は正しく理解し、正しく活用することで、あなたの日本での生活を守ってくれる強力な味方になります。