日本で暮らすためのビザ(在留資格)を申請する際、意外と「落とし穴」になりやすいのが「申請書に貼る顔写真」です。「スマホで撮った写真でいいのかな?」「背景に色がついていても大丈夫?」と、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、入国管理局(出入国在留管理局)に提出する写真には、非常に細かい決まりがあります。写真の不備が原因で、申請が受理されなかったり、審査が遅れたりすることもあるんです。
今回は、一般の方にもわかりやすく、入管のルールに基づいた「正しい写真の選び方と撮り方」をプロの視点で詳しく解説します。
1. なぜ「写真のルール」がそんなに厳しいの?
入管が写真の規格を厳しく定めている最大の理由は、「本人確認を確実に行うため」です。 偽造を防ぎ、空港の顔認証ゲートや街中での提示の際に、一目で「本人であること」を証明できなければなりません。そのため、おしゃれに見せるための加工や、顔を隠すようなスタイルは一切禁止されています。
2. これだけは守りたい!写真の基本スペック
まず、物理的なサイズと基本条件を確認しましょう。
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サイズ: 縦4cm × 横3cm(ミリ単位で決まっています)
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撮影時期: 申請する日から数えて「6か月以内」に撮ったもの
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背景: 無地で、影がないこと(色は白や薄い水色が一般的です)
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向き: 正面を向いていて、帽子などをかぶっていないこと
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裏面の記載: 写真の裏には必ず「氏名」を書いておきましょう。万が一、申請書から剥がれてしまった時のためです。
3. 顔の大きさが最重要!「25mmルール」を知っていますか?
ここが一番のポイントです。写真の枠の中で、顔がどのくらいの大きさを占めているかがミリ単位で指定されています。
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頭頂部(髪の毛を含む)から顎の先まで: 25mm(±3mmの誤差まで)
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写真の上端から頭頂部まで: 5mm(±3mmの誤差まで)
「顔が小さすぎる」「寄りすぎて顔が大きすぎる」写真は、残念ながら撮り直しになってしまいます。スピード写真機(証明写真機)を使う場合は、「履歴書用」ではなく「パスポート・在留カード用」のモードを選択すると、この比率に合わせやすくなります。
4. デジタル時代だからこそ注意したい「NG例」
最近はスマホで自撮りしたものをコンビニで印刷する方も増えていますが、以下の点には特に注意してください。
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加工アプリは厳禁: 目を大きくしたり、肌を過度に綺麗にしたり、輪郭をシャープにする加工は絶対にやめてください。本人確認ができなくなります。
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画質と用紙: デジタルカメラやスマホで撮る場合は、高画質で設定し、必ず「写真専用の用紙」に印刷してください。普通のコピー用紙にプリントしたものは認められません。
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影に注意: 顔に影がかかっていたり、背景に自分の影が強く映り込んでいるものはNGです。
5. 宗教上の理由や医療上の理由がある場合
「宗教上の理由でヒジャブなどを着用している」「医療上の理由で顔を覆う必要がある」という場合は、特例が認められることがあります。 ただし、その場合は「なぜ着用が必要なのか」を説明する陳述書(理由書)の提出を求められることが一般的です。その際も、目・鼻・口といった顔の主要なパーツが隠れていないこと、顔に影が落ちていないことが条件となります。
読者の心を掴む!ビザ写真Q&A
Q1:メガネをかけたまま撮影しても大丈夫ですか?
A: 基本的には大丈夫ですが注意が必要です。フレームが目に重なっていたり、レンズが反射して目が隠れていたりするとNGになります。また、色付きのレンズ(サングラスやカラーコンタクト)も、本人の瞳の色や形が確認できないため認められません。確実なのは、メガネを外して撮影することです。
Q2:3か月前に撮ったパスポートと同じ写真を使ってもいい?
A: はい、6か月以内であれば理論上は可能です。ただし、パスポートの発行日が1年以上前なのに、それと同じ写真をビザ申請に使うと「これは6か月以内に撮ったものではない」とすぐにバレてしまいます。写真は常に最新のものを準備するのが安心です。
Q3:微笑んでもいいですか?歯が見えても大丈夫?
A: 入管の基準では「無表情」が基本です。口角を少し上げる程度なら問題ありませんが、歯が見えるほど笑っていたり、目が細くなるような笑顔は、顔のパーツが変わってしまうためNGとされる可能性が高いです。真剣な表情で撮影しましょう。
6. アドバイス:写真は「投資」です
ビザ申請にはたくさんの書類が必要で、準備も大変です。その中で写真は「たかが写真」と思われがちですが、不備があると修正に時間がかかり、結果として日本での生活のスタートが遅れてしまいます。
確実な申請のためには、プロのカメラマンがいる写真館で撮るか、最新の証明写真機で「在留カード用」を選択して撮影することを強くお勧めします。
情報引用元・ソース:
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出入国在留管理庁:提出写真の規格について