「良かれと思って始めたアルバイトが、実は法律違反だった」というケースですが最近は増えています。本人は全く悪気がないことがほとんどですが、入管法(出入国管理及び難民認定法)の世界では、「知らなかった」では済まされない厳しい現実が待っています。
今回は、日本で安心して働き続けるために、絶対に知っておくべき「不法就労」の境界線と、そのリスクについて分かりやすく解説します。
1. 「自分のビザ」でできる仕事は何?
まず大前提として、日本に住む外国人の皆さんが持っている「在留資格(ビザ)」には、それぞれ「日本でこれをしていいですよ」という活動内容が決まっています。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」というビザを持っている方は、会社でエンジニアやマーケティング業務を行うために日本に滞在しています。しかし、このビザで「建設現場で重い資材を運ぶ力仕事」や「深夜のコンビニの配送業務」を行ったらどうなるでしょうか。
結論から言うと、これは「不法就労」になります。 たとえ同じ会社内での業務であっても、ビザで認められた専門的な業務範囲を超えて、単なる単純労働に従事することは認められていません。
多くの人が勘違いしやすいのですが、「働く」という行為は一括りではありません。あなたの持っているビザの種類と、実際に行っている業務が一致しているかどうか。ここが非常に重要です。
2. 注意!よくある「不法就労」の罠
ここで、とある事例を紹介します。 エンジニアとして働いているAさんが、週末の空いた時間に、知人の紹介で建設現場での作業員を週に2〜3回手伝うことにしました。「体を動かすのは好きだし、少しでもお小遣いが増えるなら……」という軽い気持ちだったそうです。
しかし、Aさんのビザは「技術・人文知識・国際業務」です。このビザでは、現場監督として指示を出すことはできても、自ら現場に入って肉体労働を行うことは認められていません。
また、留学生の皆さんが行うアルバイトでも同じです。「資格外活動許可」を持っていれば週28時間まで働けますが、許可の範囲を超えたり、許可が下りない職種(例えば、パチンコ店やマージャン店などの風俗営業関連)で働いてしまえば、即座に不法就労となります。
「友達に誘われたから」「お金が足りないから」という理由で始めたことが、結果として今後の日本での生活を終わらせる原因になってしまうのです。
3. 不法就労が発覚したとき、どんなことが起きる?
もし不法就労が警察や入管に見つかった場合、どのような処分が下されるのでしょうか。
まず、不法就労を「専ら(もっぱら)行っている」と判断された場合、3年以下の懲役もしくは禁錮、または300万円以下の罰金が科せられる可能性があります(入管法70条)。さらに、刑罰だけでなく「退去強制処分」の対象となり、日本から退去しなければならなくなります。
「専ら行っている」というのは、必ずしも「そればかりやっている」という状態だけを指すわけではありません。仕事の継続性や収入、本来の在留目的が果たせているかなどを総合的に判断されます。
さらに怖いのは、単発のアルバイトであっても、それが不法就労とみなされれば、次回のビザ更新が許可されなくなる可能性が非常に高いということです。一生懸命積み上げてきたキャリアが、たった一度の「不用意なアルバイト」で全て無駄になってしまうのです。
4. 不法就労を防ぐためのポイント
不法就労を避けるために、以下の3点を意識してください。
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自分のビザを確認する:自分のビザで「何をして良くて、何をしてはいけないのか」を再確認してください。
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許可を取る:留学生がアルバイトをする際は、必ず「資格外活動許可」を受けているか、許可の範囲内(週28時間以内など)かを確認してください。
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怪しい仕事には手を出さない:「簡単に稼げる」「特別なスキルはいらない」という甘い言葉には、不法就労の罠が隠れていることがほとんどです。
5. 不法就労に関するQ&A
Q1:会社が「現場の手伝いもやってくれ」と指示してきたのですが、断るとクビになりますか?
A:たとえ会社からの指示であっても、法律違反の業務をすることはできません。会社に「私のビザではその業務はできないので、行政書士に確認してほしい」と伝えてください。自分を守るためにも、毅然とした態度が必要です。
Q2:ボランティアで働く場合も不法就労になりますか?
A:ボランティアであっても、「収益性のある仕事」や「本来の業務ではない労働」とみなされると、不法就労として判断されるリスクがあります。無償だから安心、というわけではありません。
Q3:警察に捕まったら、すぐに帰国させられてしまいますか?
A:直ちに強制送還されるとは限りませんが、入管へ身柄が引き渡され、厳重な調査が行われます。結果として、在留資格の取り消しや退去強制処分を受ける可能性が極めて高いです。決して軽い気持ちで働いてはいけません。
まとめ
日本という国で、安心して目標に向かって頑張るためには、法律を守ることが一番の近道です。
もし、「今の仕事が自分のビザでできるのか不安」「会社から言われた業務が怪しいかもしれない」と少しでも思ったら、一人で悩まずに、VISA専門の行政書士に相談してください。ほんの少しの確認で、あなたの日本でのキャリアを守ることができます。
これからも、日本での素晴らしい生活を続けていくために、正しい知識を持って働きましょう。