日本の大学や専門学校を卒業し、いよいよ憧れの日本企業でキャリアをスタートさせる留学生の皆さん。内定をもらって一安心……といきたいところですが、実は入社前に絶対にクリアしなければならない「高い壁」があります。それが「在留資格(ビザ)の変更手続き」です。
せっかく内定を勝ち取っても、この手続きがスムーズにいかなければ、予定通りに入社して働くことができません。今回は、留学生が就職する際に検討すべき主な就労ビザの種類と、手続きのタイミングについて詳しく解説します。
1. 最も一般的な「技術・人文知識・国際業務」ビザ
日本の企業に就職する留学生の多くが取得するのが、この「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)」です。
どんな仕事ができる?
エンジニア、デザイナー、通訳・翻訳、マーケティング、海外営業、会計事務など、いわゆる「オフィスワーク」や「専門職」が対象です。
重要なポイント
このビザを取得するためには、「学校での専攻内容」と「入社後の仕事内容」に密接な関連性があることが求められます。また、単純作業や反復的な業務がメインの仕事では、このビザは許可されません。大学卒業者と専門学校卒業者では、この「関連性」の判断基準が異なるため、自分のキャリアプランに合致しているか慎重な確認が必要です。
2. 4年制大学卒業者なら「特定活動」も視野に
「技人国」ビザでは認められにくい、サービス業や製造現場でのマルチな業務に従事したい場合に検討されるのが「特定活動(告示46号)」です。
取得の条件
日本の4年制大学(または大学院)を卒業していることが必須です。さらに、日本語能力試験(JLPT)の「N1」合格、あるいはBJTビジネス日本語能力テストで「480点以上」を取得している高い語学力も求められます。
メリット
飲食店での接客や店舗管理、製造ラインでの業務など、現場仕事を含む幅広い活動が可能になります。ただし、単なる清掃や単純作業のみでは認められない点には注意が必要です。
3. 即戦力として活躍する「特定技能」ビザ
深刻な人手不足を解消するために新設されたのが「特定技能」です。特定の14(または12)分野の産業において、試験に合格した即戦力の外国人が対象となります。
しかし、留学生からこのビザに変更するのはあまり現実的ではないでしょう。
4. 専門分野に特化したその他の資格
特定の国家資格や修了課程がある場合、以下のような選択肢もあります。
「介護」ビザ: 介護福祉士の国家資格を取得している場合に検討されます。
「特定活動(日本食海外普及)」など: 調理師や製菓衛生師の養成機関を卒業し、特定の要件を満たした場合に変更が可能です。
【重要】
入社式や研修には参加できる?
多くの学生さんが不安に思うのが、「ビザの許可が下りる前に入社式や研修に参加してもいいのか?」という点です。
結論から言うと、「報酬(給料)が発生しない活動」であれば、変更許可が出る前でも参加可能です。
例えば、入社式への参列や、見学メインの新人研修などに無報酬で参加することは問題ありません。しかし、「新人社員として実際に業務を行い、給料を受け取る活動」は、必ず在留資格の変更許可を受けた後でなければなりません。
万が一、許可が出る前に給料をもらって働いてしまうと「不法就労」とみなされ、本人だけでなく会社側も罰せられるリスクがあります。スケジュールには余裕を持ち、入管への申請は早めに行うことが鉄則です。