日本での留学生活を終え、日本語学校や専門学校、大学などを無事に卒業されたみなさん、本当におめでとうございます!
卒業を迎えたみなさんから、よくこのような相談をいただきます。 「学校は卒業したけれど、在留カードの期限(在留期間)がまだ数ヶ月残っています。このまま満了日まで日本にいても大丈夫ですか?」
結論からお伝えすると、「在留期間が残っていても、卒業後に何もしないまま日本に滞在し続けるのは、原則としてNG(法律違反になる可能性が高い)」です。
「せっかく残っている期間があるのにもったいない」「アルバイトをして旅費を稼いでから帰りたい」と思うかもしれませんが、ここには入国管理局(出入国在留管理庁)の厳しいルールが関係しています。
この記事では、卒業後の留学ビザの取り扱い、そのまま残ることの危険性、そして卒業後も日本に滞在したい場合の正しい手続きについて、分かりやすく解説します。
1. なぜ期間が残っていても滞在してはいけないの?
在留カードに書かれている「在留期間」は、あくまで「そのビザに認められた活動(留学なら学校に通って勉強すること)を続けていること」を前提として与えられているものです。
そのため、学校を卒業した時点で、あなたの「留学」という活動は終了したことになります。
日本の入管法(出入国管理及び難民認定法)第22条の4第1項というルールでは、以下のような場合に「在留資格取消対象(ビザを取り消す手続きの対象)」になると決められています。
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留学ビザの活動(勉強)をせず、他の活動(未許可のアルバイトなど)をしている、またはしようとしている場合
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留学ビザの活動を正当な理由なく「3ヶ月以上」行わずに日本に滞在している場合
つまり、日本語学校を卒業して「学生」でなくなったのに、次の進路(進学や就職)が決まっていない状態で、ただ日本に居続けることは、原則として認められていません。
2. 「3ヶ月以内なら何もしなくても大丈夫」の勘違い
法律の中に「3ヶ月以上行わずに…」という文言があるため、「じゃあ卒業してから3ヶ月ぴったりまでは、何もしなくても日本にいていいんだ!」と勘違いしてしまう方が非常に多いです。しかし、これは大きな間違いです。
卒業後のアルバイトは「資格外活動違反」になる
留学ビザを持っている人は、原則として週28時間以内のアルバイト(資格外活動許可)が認められています。しかし、この許可は「学校に在籍して勉強していること」が条件です。 学校を卒業した瞬間から、このアルバイト許可は使えなくなります。卒業後に1時間でもアルバイトをすると、それは「資格外活動違反(不法就労)」という重いペナルティの対象になってしまいます。
3ヶ月以内でもビザが取り消されるケース
「他の活動(就労など)をしようとして滞在している」と入管に判断された場合、卒業から3ヶ月が経っていなくても、ビザの取り消し手続きが進められることがあります。
3. 卒業後に何もせず残った場合の「将来の特大リスク」
「少しの間くらい、内緒で残っていてもバレないだろう」と考えるのは絶対にやめましょう。入管のシステムは非常に進化しています。
学校側は、学生が卒業したことを「受入れ機関に関する届出」として入管に報告する義務があります。また、あなた自身も卒業から14日以内に入管へ報告しなければなりません。そのため、あなたがいつ学校を卒業したかは、入管にすべて把握されています。
仮に、卒業後の数ヶ月間を日本で何事もなく過ごせて、そのまま帰国できたとしても、将来以下のような大きなリスク(不利益)が残ります。
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将来、日本にまた来たい(観光・就職・結婚など)と思ったとき、ビザの申請(在留資格認定証明書交付申請)が不許可になる可能性が非常に高くなります。
入管は過去の滞在記録をすべて保管しています。審査の際、「この人は前の留学ビザのとき、卒業後に何をしていたのだろう?正当な理由なく不法に滞在していたのではないか」と厳しくチェックされ、日本への再入国が認められなくなるおそれがあります。
4. 卒業後も日本に残りたいときの「正しい3つの方法」
学校を卒業した後も、それぞれの目的に合わせて正しい手続きを行えば、合法的に日本に滞在することができます。自分の状況に合った方法を選びましょう。
① 就職活動を続けたい場合 =「特定活動ビザ」へ変更
学校を卒業したけれど、まだ就職先が決まっておらず、引き続き日本で就職活動をしたい場合は、留学ビザから「特定活動(就職活動)」というビザに切り替える必要があります。 このビザに変更できれば、原則として6ヶ月(更新すれば最長1年間)日本に滞在でき、許可をもらえば週28時間以内のアルバイトも継続できます。 ※学校からの推薦状などが必要になります。
② 就職が決まっているが入社まで期間がある場合 =「特定活動ビザ(内定者)」へ変更
企業から内定(採用)をもらったけれど、入社時期が数ヶ月先(例えば秋採用など)である場合、入社までの間を日本で待つための「特定活動(内定者)」というビザに切り替えることができます。
③ 帰国準備や観光をしてから帰りたい場合 =「短期滞在ビザ」へ変更
「最後に日本を少し観光してから帰りたい」「荷物の片付けや帰国航空券の手配に少し時間がかかる」という場合は、留学ビザから「短期滞在(いわゆる観光ビザ、最大90日間)」への変更申請を行います。このビザに変更すれば、帰国までの期間を堂々と日本で過ごすことができます。ただし、この期間中のアルバイトは完全に禁止です。
5. 【Q&A】外国人のみんなが本当に知りたかった3つの疑問
Q1. 卒業式が3月15日でした。在留カードの期限は7月までありますが、4月や5月まで日本で「観光」や「引っ越し準備」をしてから帰っても大丈夫ですか?
A1. 結論から言うと、留学ビザのままで長期間滞在するのはリスクがあります。すぐに「短期滞在ビザ」への切り替え手続きを行いましょう。 卒業後、数日〜1週間程度で片付けをしてすぐに帰国する場合は留学ビザのままでも大目にインカン(入管)に見られることが多いですが、1ヶ月以上も日本に滞在して観光などをしたい場合は、必ず「短期滞在ビザ」へ変更してください。変更せずに滞在していると、将来日本に戻ってくるときの審査で「卒業後に不適切な滞在をしていた」とみなされる原因になります。
Q2. 学校を卒業した後、4月から新しい会社で働きます。就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)の変更申請は「結果待ち」の状態です。この間、アルバイトはできますか?
A2. 原則として、卒業後はアルバイトができません。 ビザの変更申請中(結果を待っている期間)であっても、学校を卒業してしまっている以上、留学ビザに付随する「週28時間のアルバイト許可(資格外活動許可)」の効果は切れています。もしどうしても働きたい場合は、採用予定の会社にお願いして、インターンシップ等の正当な理由で個別に資格外活動許可を取るか、ビザが新しく切り替わるまで働くのを待つ必要があります。
Q3. 進学(日本語学校から専門学校や大学へ)が決まっています。3月に日本語学校を卒業して、次の学校が始まる4月までの間、アルバイトをしてもいいですか?
A3. 次の学校への「進学」が完全に決まっている場合に限り、卒業後から入学までの空白期間も、週28時間以内のアルバイトを続けることができます。 出入国在留管理庁の規定により、次の教育機関への進学が確定している「卒業から入学までの間」の期間は、留学ビザの活動が継続しているとみなされるため、アルバイトが認められています。ただし、進学先の入学許可書などをいつでも提示できるように準備しておきましょう。
まとめ:迷ったら専門家にすぐ相談を!
学校を卒業した後のビザの手続きは、毎年のように多くの外国人のみなさんがトラブルになってしまう難しいポイントです。
「知らなかった」では済まされないのが日本の法律です。せっかく頑張って学校を卒業したのに、最後の最後に不法滞在のような形になってしまい、将来日本に来られなくなるのは本当に悲しいことです。
自分の進路に合わせて、どのビザに変えればいいのか分からないときや、手続きに不安があるときは、一人で悩まずに、「外国人の在留資格(ビザ)専門の行政書士」にいつでもお気軽にご相談ください。