日本で働いている外国人が会社を辞めるとき(退職や転職をするとき)は、日本人と同じ手続きのほかに、「在留資格(ビザ)に関する特別な手続き」がいくつも必要になります。
「退職したけれど、ビザの手続きって何か必要なの?」 「次の転職先が決まるまで、日本にそのままいても大丈夫?」 「会社からもらうべき書類には何がある?」
こうした疑問や不安を抱えている外国人のみなさんに向けて、難しい法律用語をできるだけ使わず、行政書士の視点から分かりやすく、丁寧に解説します。この記事を読めば、退職・転職時にトラブルにならず、安心して日本で生活を続けるためのステップが丸わかりになります。ぜひ最後までチェックしてください!
1. 外国人社員が退職するときに「会社からもらうもの・返すもの」
まずは、会社を退職する日までに、会社とやり取りすべき書類や持ち物について整理しましょう。これらは、次の転職活動や生活費のサポート(失業保険など)にダイレクトに関わってきます。
① 会社へ返すもの
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健康保険証 退職する日、または最後の出勤日に会社へ返却します。退職日の翌日からは、これまでの健康保険証は使えなくなります。
② 会社から必ずもらうもの
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離職票(りしょくひょう) 次の仕事が決まるまでの間、国から生活費のサポート(失業手当・基本手当)をもらうために絶対に必要な書類です。会社からハローワークへ手続きをした後、自宅に郵送などで届きます。
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源泉徴収票(げんせんちょうしゅうひょう) あなたがその年にいくら給料をもらい、いくら税金を納めたかが書かれた大切な紙です。次の転職先で提出するか、自分で確定申告(税金の清算手続き)をするときに使います。
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退職証明書(たいしょくしょうめいしょ) 会社を正式に辞めたことを証明する書類です。実は、入国管理局(入管)へ次のビザの申請をするときに提出を求められることが非常に多いため、退職時に必ず会社に作ってもらうよう頼んでおきましょう。
2. 住民税(じゅうみんぜい)の手続きに注意!
日本で暮らしていると「住民税」という税金を払う必要があります。通常は毎月の給料から自動的に引かれていますが、会社を辞めると給料から引けなくなります。
退職する時期によって、残りの住民税の支払い方法が変わります。
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6月〜11月に退職する場合: 残りの住民税を、自分で役所から届く納付書(払込用紙)を使ってコンビニなどで支払う方法(普通徴収)に切り替えます。
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12月〜翌年5月に退職する場合: 最後の給料や退職金から、5月分までの残りの住民税をまとめて一括で引き落としてもらうのが一般的です。
「退職後に大きな金額の税金請求が届いてびっくりした!」というトラブルが非常に多いため、事前にいくら払う必要があるか確認しておきましょう。
3. 【超重要】入管とハローワークへ行う「2つの届出」
ここからは、外国人ならではの最も重要な「ビザ(在留資格)に関わる手続き」です。手続きを忘れると、次回ビザの更新ができなくなったり、最悪の場合はビザが取り消されて日本にいられなくなったりするリスクがあります。
① 【外国人本人が行う】入管への「契約機関に関する届出」
就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」など)を持って働いている外国人は、会社を退職した日から14日以内に、出入国在留管理庁(入管)へ「会社との契約が終わりました」という報告をしなければなりません。
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提出期限:退職した日から14日以内
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提出先:出入国在留管理庁(インターネットの「出入国在留管理庁電子届出システム」からオンラインで簡単に24時間いつでも届出ができます。郵送や入管の窓口でも可能です)
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忘れた場合のリスク:この届出を怠ると、20万円以下の罰金(過料)に処される可能性があるほか、次回のビザ更新時に「ルールを守らない人」とみなされて不許可になるリスクが極めて高くなります。
② 【会社が行う】ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」
こちらは、外国人を雇っていた会社側(雇用主)が行う義務のある手続きです。 外国人社員が退職した際、雇用保険に入っていた場合は退職日の翌日から10日以内にハローワークへ「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。この際、在留カード番号や在留資格を正しく記入することで、ハローワークへの報告が同時に完了します。
万が一、雇用保険に入っていない外国人が退職した場合は、退職した日の翌月末日までに「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」をハローワークに提出する必要があります。 在留カード番号の記載は必須ですので、会社側は退職者の在留カード情報を正しく把握しておく必要があります。
4. 【公的機関の情報】退職後に知っておくべき公式ルール
法律やルールに基づいた、出入国在留管理庁(入管)や厚生労働省などの公的な取り決めを解説します。
① 退職後、何ヶ月も仕事を探さないでいるとビザが取り消される?
入管法(出入国管理及び難民認定法)のルールでは、就労ビザを持っている外国人が、正当な理由なく3ヶ月以上、本来の活動(働くこと)を行っていない場合、在留資格(ビザ)を取り消すことができるとされています。 ただし、「病気で療養している」「積極的に次の就職活動を行っており、ハローワークに通っている」といった明確な理由(正当な理由)がある場合は、3ヶ月を過ぎてもすぐにビザが取り消されるわけではありません。諦めずに転職活動の記録を残しておきましょう。
② 外国人も失業保険(基本手当)をもらえる?
外国人であっても、雇用保険に入っていた期間が一定以上(一般的には自己都合退職の場合、退職前2年間に通算12ヶ月以上)あれば、日本人と同じようにハローワークで失業保険を申請し、お金(基本手当)を受け取ることができます。 ただし、失業保険をもらうためには「すぐに日本で次の仕事ができる状態であること」が必要です。そのため、ビザの期限(在留期間)がもうすぐ切れてしまう場合などは受け取れないことがあるため注意してください。
5. これが知りたかった!読者の疑問に答えるQ&A
Q1. 次の転職先が決まっていない状態で退職しても、日本にそのまま残って転職活動を続けられますか?
A1. はい、可能です。ただし、しっかりと「求職活動(仕事探し)」をしている実績が必要です。 原則として、退職から14日以内に最初の入管への届出(契約終了の届出)を行います。その後、ハローワークに登録して求職票をもらったり、転職エージェントなどを通じて積極的に面接を受けたりしていれば、「正当な理由」をもって求職活動中であると認められます。ビザの在留期限(有効期限)が残っている間は、日本に滞在して転職活動を続けることができます。
Q2. 転職活動中、生活費が足りなくなったらアルバイトをしてもいいですか?
A2. 原則として、就労ビザのままでコンビニや飲食店などのアルバイトをすることはできません。 どうしても生活費のために週28時間以内のアルバイトをしたい場合は、入管へ行き「資格外活動許可(しかくがいかつどうきょか)」を申請し、許可をもらう必要があります。許可を取らずにアルバイトをしてしまうと「不法就労(法律違反)」となり、次の新しいビザが絶対に取れなくなったり、日本から強制的に帰国させられたり(強制退去)するため、絶対に無許可でアルバイトをしないでください。
Q3. 前の会社を辞めてから、次の会社で働き始めるまでに必要な入管手続きは何ですか?
A3. 次の会社に入社した日から14日以内に、入管へ「新しい会社と契約を結びました」という届出(契約機関に関する届出・新たな契約の締結)を行う必要があります。 これもオンラインで簡単に行えます。また、転職後の仕事内容が、今のあなたの就労ビザに合っているか不安な場合は、次のビザ更新のトラブルを防ぐために、あらかじめ入管から「就労資格証明書(しゅうろうしかくしょうめいしょ)」を取得しておくことを強くおすすめします。
まとめ:スムーズな退職・転職は「期限の守り方」で決まる!
外国人のみなさんが日本で会社を辞めるとき、最も大切なのは「退職から14日以内に入管に届出を出すこと」です。これを忘れてしまうだけで、その後の日本でのキャリアや生活が大きく崩れてしまうことがあります。
もし、 「自分の次の仕事内容が、今のビザで認められるか不安…」 「転職活動が長引いてビザの期限が迫ってきたけれど、どうすればいい?」 「入管への手続きのやり方がどうしてもよく分からない…」
と少しでも不安に思うことがあれば、どうぞお気軽に日本の在留資格(ビザ)専門の行政書士である当事務所にご相談ください。あなたの状況に寄り添い、次のステップへ安心して進めるよう全力でサポートいたします!