日本で勉強している留学生の皆さん、そして「家族滞在」のビザで日本に住んでいる皆さん。日本での生活費や学費を補うために、アルバイトをしたいと考えている方は多いはずです。
しかし、日本のビザ(在留資格)には厳しいルールがあります。ルールを守らずに働いてしまうと、「不法就労」として強制送還されたり、次回のビザ更新ができなくなったりするリスクがあります。
今回は、皆さんが安心して日本で働くために絶対に知っておくべき「資格外活動許可」の仕組みについて、分かりやすく解説します。
1. そもそも「資格外活動許可」ってなに?
留学生の本業は「勉強」であり、家族滞在の方の本業は「家族としての日常活動」です。これらは本来、働くためのビザではありません。
しかし、一定の範囲内であればアルバイトを認めるという制度が「資格外活動許可」です。
ここがポイント!「主たる活動」を邪魔してはいけない
この許可の最も大切な考え方は、「本来の目的(勉強や家族との生活)を邪魔しない範囲で認める」という点です。
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学校に行かずにアルバイトばかりする。
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単位を落としてまで深夜まで働く。 これらは、許可の前提条件(主たる活動の遂行)を壊しているとみなされ、許可が取り消される原因になります。
2. 「週28時間」のルールを正しく理解しよう
よく「週28時間までなら大丈夫」と聞くと思いますが、これには細かい計算ルールがあります。
どの7日間を切り取っても「28時間以内」
「今週は月曜から日曜で28時間だったからOK」という単純な話ではありません。「どの曜日から数え始めても、1週間以内の合計が28時間」でなければなりません。
掛け持ち(ダブルワーク)の合計時間
2つ以上の場所でアルバイトをしている場合、「すべてのアルバイト先の合計時間」が28時間以内でなければなりません。A店で20時間、B店で10時間働くと、合計30時間になり「オーバー」です。
留学生だけの特例:長期休業期間
夏休みや冬休みなど、学校が公式に定めた長期休業期間中は、1日8時間以内(週40時間以内)まで働くことが認められています。
ただし、学校の規則で決まっている期間に限られるため、自己判断は禁物です。
3. 休学中や卒業後はアルバイトができる?
ここが一番間違いやすいポイントです。
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休学中の場合: 学校に籍(名前)があっても、授業を受けていない(主たる活動を中断している)状態では、資格外活動許可があっても働くことはできません。
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卒業・退学後の場合: 学校を卒業した瞬間、あるいは退学した瞬間に、そのビザの目的は終わります。たとえ在留カードの期限が残っていても、アルバイトは一切禁止です。
もし卒業後に就職活動を続けたい場合は、「特定活動」などの別のビザに切り替える必要があります。
4. 【Q&A】これって大丈夫?みんなが気になる3つの質問
Q1:コンビニのバイト以外に、単発の「報酬」をもらうのは許可が必要ですか?
A:内容によりますが、「臨時の報酬」であれば許可は不要です。 例えば、講演会での謝礼金、懸賞金、あるいは知人の引っ越しを1回手伝ってお礼をもらう程度であれば、資格外活動許可は必要ありません。ただし、継続的に行う場合は必ず許可を取得してください。
Q2:成績が悪くなると、資格外活動許可は更新できないって本当ですか?
A:はい、その可能性は非常に高いです。 入管(出入国在留管理局)は、ビザの更新時に学校の「出席率」や「成績」をチェックします。出席率が極端に低い(目安として80%未満)場合、「勉強をせずにアルバイトばかりしている」と判断され、許可が出ないだけでなく、ビザそのものが不許可になるリスクがあります。
Q3:ウーバーイーツなどの配達員(個人事業主)として働けますか?
A:注意が必要です。 資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」があります。一般的なアルバイト(雇用される形)は包括許可でOKですが、ウーバーイーツなどの個人事業主型は、実働時間の管理が難しいため、入管から厳しくチェックされる対象になります。トラブルを避けるためにも、まずは専門の行政書士に相談することをお勧めします。
5. まとめ:ルールを守ることが「日本での未来」を守ること
「みんなやっているから大丈夫」「少しだけならバレない」という考えは、あなたの将来を台無しにする可能性があります。
最近では、マイナンバーカードの活用や銀行口座のチェックなどにより、入管が個人の就労状況を把握しやすくなっています。不法就労助長罪として、雇っている側の会社だけでなく、あなた自身も重い罰則を受けることになります。