「退去強制の手続き中、ずっと収容施設の中にいなければならないの?」 「仕事が見つかれば、収容を解いてもらえる可能性はあるの?」
入管施設での収容について、このような不安や疑問をお持ちの方は少なくありません。退去強制の手続きが進んでいる場合でも、条件を満たせば施設に収容されず、これまでの生活環境を維持しながら手続きを進められる「監理措置制度」という仕組みがあります。
今回は、この監理措置制度について、どのような制度なのか、また就労は可能なのか解説します。
監理措置制度とはどのような制度?
監理措置制度とは、本来であれば入管施設に収容されるべき人を、監理人(家族や知人など)の監督下におくことで、施設に収容せずに社会の中で生活することを認める制度です。
簡単に言うと、「逃亡や証拠隠滅を防ぐための厳格なルールを守る代わりに、施設ではなく外で生活してよいですよ」という仕組みです。主任審査官が、「収容し続ける必要性が低い」と判断した場合に適用されます。
この制度は、容疑者(退去強制令書がまだ出ていない段階の人)と、退去強制令書が出た後の人の両方が対象となります。
監理措置が認められるために必要なこと
誰でもこの措置を受けられるわけではありません。主任審査官は、以下の要素を総合的に判断します。
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逃亡や証拠隠滅の恐れがないか
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現在の健康状態や家族関係への影響
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過去の不法就労の状況
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監理人による十分な監督が期待できるか
もし、「逃亡の危険がある」と判断された場合、条件として300万円を超えない範囲で「保証金」の納付が求められることもあります。また、住居や行動範囲に制限がかかり、定期的に入管へ報告を行う義務も生じます。
監理措置中の「就労」はできるのか?
ここが最も気になるポイントかと思いますが、監理措置中だからといって、誰でも自由に働けるわけではありません。
1. 容疑者の場合 もともと就労可能な在留資格を持っている、あるいは「資格外活動許可」を持っている人は、その範囲内で働くことができます。それ以外の方でも、生計を維持するために必要と認められれば、特定の日本企業と契約し、報酬を得る活動を行う許可(就労許可)を得られる可能性があります。ただし、これは非常に限定的な条件であり、個別の審査が必要となります。
2. 退去強制令書が出ている人の場合 残念ながら、この段階にある方は、原則として報酬を得る活動(就労)を行う許可を得ることはできません。この期間中に働くと「不法就労活動」とみなされ、厳しい処罰の対象となる可能性がありますので、絶対に避けてください。
皆様からよく寄せられるQ&A
Q1:監理人には誰がなれますか?
A:監理人には、被監理者の生活をしっかりと監督できる人でなければなりません。親族や友人、あるいは支援団体の方がなるケースが多いですが、監理人は被監理者の生活状況を定期的に入管へ届け出る責任があるため、その役割を全うできる信頼できる人を選ぶ必要があります。
Q2:監理措置中に引っ越しをしたいのですが、可能ですか?
A:監理措置には「住居の制限」という条件が付いていることがほとんどです。そのため、勝手に引っ越しをすることはできません。住所を変更したい場合は、事前に主任審査官へ相談し、許可を得る必要があります。無断での転居は制度の取り消しにつながる恐れがあります。
Q3:もし約束を破ったらどうなりますか?
A:監理措置の条件に違反したり、逃亡を企てたりした場合は、監理措置が取り消され、再度入管施設へ収容されることになります。せっかく外で生活できていたとしても、その権利を失うことになるため、ルールを遵守することは絶対です。
専門家に相談するメリット
監理措置制度は非常に専門的な判断が必要とされるため、ご自身だけで申請の準備を進めるのは非常に困難です。入管法は改正も多く、個々の事情に合わせてどのような主張を行うべきか、どのような証拠を集めるべきかにはノウハウが必要です。
現在の収容に関するお悩みや、監理措置の適用についてご不安があれば、まずは専門家である当事務所へご相談ください。