「日本に住んでいるけれど、税金は払わなければならないの?」 「海外にいる間のお金にも税金はかかるの?」
日本で生活をしいているとこういった疑問を持つことがあるのではないでしょうか。日本で働き、生活を送る上で避けて通れないのが「税金」の問題です。しかし、日本の税制は非常に複雑で、母国のシステムと大きく異なることも多いため、混乱してしまうのは当然のことです。
実は、日本で経済活動を行う以上、外国人であっても原則として税金を納める義務があります。そして、この税金に関する知識は、皆さんが今後、日本で安定して生活を続け、ビザ(在留資格)を更新していくためにも非常に重要です。
今回は、日本の税金についてわかりやすく解説していきます。
1. あなたは「居住者」?「非居住者」?税金の決まり方
まず、あなたが「どのような立場で日本にいるか」によって、税金のルールが大きく変わることを知っておく必要があります。日本の税法では、人を大きく「居住者」と「非居住者」の2つに分けて考えています。
■ 居住者(日本に住んでいる人) 基本的には、日本に住所がある人、あるいは1年以上継続して日本に住んでいる人のことを指します。この「居住者」に当てはまる場合、原則として日本国内で得た収入だけでなく、世界中のどこで稼いだ収入であっても、日本で税金を払う義務が発生します。 「日本に住んでいるのだから、収入全体に対してしっかり税金を納めてくださいね」というのが基本的なスタンスです。
■ 非居住者(日本に住んでいない、または短期滞在の人) 一方で、日本に住所がなく、日本にいる期間が短い人は「非居住者」と呼ばれます。この場合、税金を払う対象は「日本国内で稼いだ収入」に限られます。例えば、日本で働いて給料をもらったり、日本の不動産を貸して家賃収入があったりする場合などが該当します。
※参考:国税庁「納税義務者」等の考え方(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm)
2. 「永住者」と「非永住者」の違いとは?
さらに細かく言うと、居住者の中にも「永住者」と「非永住者」という区別があります。これらは、皆さんがお持ちの「永住者ビザ(在留資格)」とは少し意味が異なります。
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永住者(税法上の区分): 日本に永住する意思がある、あるいは長い期間日本に住んでいる人。
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非永住者(税法上の区分): 日本に住んでいるけれど、日本国籍を持っておらず、過去10年間のうち日本に住んでいた期間が5年以下の人。
なぜこの区別が大事かというと、「海外で稼いだお金」に税金がかかるかどうかが変わるからです。「非永住者」の方は、基本的に「日本国内で稼いだお金」と「海外から日本に送金したお金」などに対して課税されます。
「日本に来たばかりだから、まだ海外の資産や収入については日本の税金の対象外」というケースもありますが、期間が経てばルールも変わります。自分の立ち位置がどこにあるのかを把握しておくことが大切です。
3. 外国人も払う必要がある「住民税」
「所得税」の話は会社が年末調整などでやってくれるから安心……と思っている方も多いですが、注意が必要なのが「住民税」です。
住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。日本国内に住所がある人は、基本的にすべて納める義務があります。 学生や留学生の方で、「アルバイト代が少ないから税金は関係ない」と思っていると、後から大きな額の納税通知書が届いて驚くことがあります。また、住民税の滞納は、将来の「永住権申請」や「ビザの更新」において、審査でマイナス評価を受ける大きな原因の一つになります。
「税金を払っていなかったから、ビザが更新できない」という悲しい事態を避けるためにも、役所から届く書類は必ず確認し、期日通りに納付する習慣をつけてください。
4. 外国法人や、贈与税はどうなるの?
会社経営をされている方や、これから起業を考えている方は「法人税」についても気になりますよね。 日本国内に本店がある会社は、もちろん日本での法人税の納税義務があります。一方で、海外に拠点がある会社(外国法人)であっても、日本でビジネスを行って利益を得ている場合は、その利益に対して日本で税金がかかる可能性があります。
また、意外と見落とされがちなのが「贈与税(誰かから財産をもらった時の税金)」です。 日本国内に住所がある人が財産をもらった場合、たとえその財産が海外にあっても、日本で贈与税がかかることがあります。逆に、日本に住所がない人から財産をもらった場合でも、国内にある財産であれば課税対象となるなど、状況によって複雑です。
税金のルールは常にアップデートされています。特に国際的な税務については、自己判断で進めると後から多額の追徴課税を受けるリスクもあります。実務上迷った場合は、税理士や税務署への早めの相談をお勧めします。
※参考:国税庁「贈与税がかかる場合」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm)
外国人の方からよくあるQ&A
Q1. 短期滞在(観光ビザ)で日本に来て、少しだけ仕事をしたのですが、税金はどうなりますか?
A1. 基本的には「非居住者」の扱いになります。もし日本企業から報酬を受け取った場合、その報酬から一定の税金(源泉徴収)が差し引かれることが一般的です。もしご自身で確定申告が必要なケースかどうか不安な場合は、給与明細を確認し、支払元の会社に相談するか、最寄りの税務署へお問い合わせください。
Q2. 留学生ですが、アルバイトをして稼いでいても住民税は払わないといけませんか?
A2. はい、原則として必要です。住民税は前年の1月〜12月の所得に応じて決まります。学生であっても一定以上の収入があれば課税対象となります。「学生だから」といって免除されるわけではありません。収入がある場合は、必ず市区町村で住民税の申告を行いましょう。
Q3. 住民税や健康保険料の支払いが遅れています。ビザの更新に影響しますか?
A3. はい、非常に大きな影響があります。現在、在留資格の更新審査では「公的義務の履行状況」が厳しくチェックされています。税金や社会保険料を期限内に支払っていないことは、「日本でのルールを守っていない」と判断され、不許可のリスクが高まります。もし未払いがある場合は、直ちに役所の窓口で納付の相談を行い、一括あるいは分割納付などの対応をとり、支払う意思と誠実さを見せることが重要です。
メッセージ
日本という国で、安心して長く働いたり、ビジネスをしたりするためには、税金という「社会のルール」を正しく理解し、守ることが第一歩です。 「難しそう」「わからないから放置しておこう」と思う気持ちはよくわかります。しかし、税金の滞納は、皆さんが大切にしている「日本で暮らし続けるための権利」そのものを危うくしてしまう可能性があります。
もし、今回の記事を読んで「自分の場合はどうなんだろう?」「会社を作りたいけれど税金のことが心配」と不安を感じたら、ぜひ専門家までご相談ください。