帰化申請が受理された後の注意点!法務局へ必ず報告すべき8つの変化と審査期間中の過ごし方
日本の国籍を取得したいと考え、準備を進めてこられた皆さま。膨大な書類を集め、ようやく法務局へ「帰化申請」が受理されたときは、本当にホッとされることと思います。
しかし、「帰化申請が受理された=日本国籍がもらえることが決まった」わけではありません。
むしろ、受理されてからが本当の審査の始まりです。今回のコラムでは、日本の在留資格(VISA)や帰化申請を専門に扱う行政書士が、帰化申請の受理後に「法務局へ必ず報告しなければならないこと」や「審査中に絶対にやってはいけない注意点」を、分かりやすく丁寧に解説します。知らずに放置してしまうと、審査が長引いたり、最悪の場合は「不許可」になってしまうこともあるため、ぜひ最後までチェックしてください。
1. 帰化申請の「受理」から「許可」までの流れと期間
まず知っておいていただきたいのは、帰化申請の書類が法務局に受け取られてから、結果が出るまでには長い時間がかかるということです。
法務局に書類が受理されると、あなた専用の「受付番号」が与えられます。ここから法務局の担当官による本格的な調査が始まります。
審査にかかる期間の目安
帰化申請が受理されてから、法務大臣による許可・不許可の判断が下りるまでには、通常「約1年前後」かかります。人によっては1年半近くかかるケースもあります。
この長い待ち時間の間に、あなたの生活環境(仕事、住所、家族など)に変化が起きることは珍しくありません。実は、その「変化」を黙ったままにしていると、法務局の信頼を失い、マイナスの評価を受けてしまうのです。
2. 帰化申請の受理後、法務局への連絡・報告が必要な「8つのケース」
法務局へ申請した内容は、すべて「審査の基準」になっています。そのため、申請したデータと現在の状況にズレが生じたときは、すぐに報告しなければなりません。法務局に連絡する際は、必ず最初にもらった「受付番号」「氏名」「国籍」を担当者に伝えてください。
具体的には、以下のような変化があった場合に速やかな連絡(および追加書類の提出)が必要です。
① 引越しをして住所が変わったとき(または連絡先が変わったとき)
日本国内で引越しをした場合はもちろん、電話番号が変わった場合も連絡が必要です。法務局から面接の連絡や書類の郵送があるため、連絡がつかなくなると審査がストップしてしまいます。
② 家族関係(身分関係)が変わったとき
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結婚(婚姻)した
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離婚した
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子どもが生まれた(出生)
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家族が亡くなった(死亡)
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養子縁組をした
これらはあなたの親族関係が変わる重要な出来事です。戸籍や国籍の証明に関する書類を追加で出す必要があります。
③ 在留資格(ビザ)の種類や期限が変わったとき
帰化の審査中であっても、いま持っているビザ(在留資格)の期限が切れる場合は、出入国在留管理局でビザの更新手続きを必ず行ってください。「帰化申請中だからビザの更新はしなくていい」というのは大きな間違いです。ビザの期限が変わったときや、別のビザに変更したときは報告が必要です。
④ 日本から出国するとき・再入国したとき
仕事の出張や里帰りなどで、一時的に日本を離れる場合は、「いつからいつまで、何の目的で出国するのか」を事前に法務局の担当者に連絡しなければなりません。また、日本に戻ってきた際にも「帰国しました」という報告が必要です。
⑤ 法律に違反する行為をしてしまったとき(交通違反を含む)
一番気をつけたいのがこれです。車やバイクの運転中にスピード違反で捕まった、駐車違反をしてしまった、といった「軽微な交通違反」であっても、必ず法務局に報告しなければなりません。黙っていても、法務局は警察の記録を調べることができるため、隠すと「嘘をついた」とみなされて致命傷になります。
⑥ 仕事関係(勤務先や収入)が変わったとき
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転職した(会社が変わった)
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退職した(仕事を辞めた)
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会社を設立して独立した
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給料などの収入が大きく変わった
帰化の条件には「日本で安定して暮らしていけること(生計要件)」が含まれています。仕事が変わった場合は、新しい会社の在職証明書や給与明細などを提出する必要があります。
⑦ 帰化が認められた後の「本籍」や「氏名」を変更したいとき
申請書に「日本のお名前」や「新しい本籍地」を記入しますが、審査の途中で「やっぱり別のお名前に変えたい」「本籍地を変更したい」と思った場合は、変更が可能です。
⑧ その他、法務局への報告が必要な事態が起きたとき
例えば、新しく国家資格(日本の公的な資格)を取得したときなど、あなたの経歴やスキルがプラスになるような変化があった場合も、報告することで審査に良い影響を与えることがあります。
3. 【重要】公的機関のデータから見る「審査期間中の過ごし方」
帰化申請で最も大切なポイントは、「申請した後は、できるだけ変化のない安定した生活を続けること」です。
法務省の「帰化許可申請手続」に関するガイドラインや出入国在留管理局の基本方針を紐解くと、帰化が許可されるためには「素行が善良であること(真面目に暮らしていること)」や「自己の資産や技能によって生計を営むことができること」が強く求められています。
審査期間中に、以下のような行動をとると不許可のリスクが跳ね上がります。
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頻繁な転職や退職: 「生活が不安定」とみなされます。特に複数回の転職はマイナスです。
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長期間の海外滞在: 1年のうち合計で概ね100日前後、または連続して3ヶ月以上日本を離れると、「日本に生活の本拠がない」と判断され、申請がリセット(不許可または取り下げ)になる可能性が高くなります。
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度重なる交通違反や法令違反: 万が一、重大な事故を起こしたり、何度も違反を繰り返したりすると、「素行が善良ではない」として不許可になります。
生活の変化やトラブルは、起きる前に防ぐか、起きてしまったら一刻も早く法務局へ正直に伝えることが大切です。
4. 外国人の方が気になる「これ知りたかった!」帰化申請のQ&A
Q1. 帰化の審査中に会社をクビ(解雇)になってしまいました。もう日本国籍は取れませんか?
A1. すぐに不許可になるわけではありませんが、早急な対応が必要です。 会社都合による解雇などの場合、まずはすぐに法務局の担当者にその事実を連絡してください。そして、できるだけ早く次の就職先を見つけることが重要です。同居しているご家族(配偶者など)に安定した収入があれば、一時的に無職であってもカバーできる場合があります。一番やってはいけないのは、無職になったことを隠し続けることです。
Q2. 帰化申請中、うっかりスピード違反で警察に捕まってしまいました。隠していればバレませんか?
A2. 必ずバレます。絶対に隠さず、自分から法務局へ報告してください。 法務局は審査の過程で、申請者の犯罪歴や交通違反の履歴を公的機関に必ず照会します。そのため、隠していても確実に担当官に伝わります。「自分から報告した」という誠実な姿勢と、「隠そうとした」という不誠実な姿勢では、審査官に与える印象が180度違います。軽微な違反(反則金の支払い)であれば、正直に報告すれば致命的な不許可事由にならないケースが多いです。
Q3. 帰化申請中にビザの期限が来そうです。帰化の結果が出るまで待ってもいいですか?
A3. いいえ、絶対に待ってはいけません。必ずビザの更新をしてください。 「帰化申請中だから、今のビザの期限が切れても大丈夫だろう」と勘違いして、オーバーステイ(不法滞在)になってしまう方が稀にいます。帰化が許可されるその日までは、あなたは外国人であり、日本の在留資格が適用されます。ビザの更新を忘れると、その時点で帰化申請は不許可になるだけでなく、強制送還の対象になってしまいます。期限の3ヶ月前から更新手続きができますので、出入国在留管理局で必ず手続きを行い、新しくなった在留カードの情報を法務局へ報告してください。
5. まとめ:信頼を保つことが「日本国籍取得」への一番の近道
帰化申請が受理された後の約1年間は、法務局との「信頼関係」を維持する期間です。 生活の中で何かが変わったときは、「これくらい大丈夫だろう」と自己判断せず、まずは法務局に連絡を入れる、あるいは専門家に相談することをおすすめします。
真面目に、そしてルールを守って日本での日常生活を送っていれば、許可の通知(官報への掲載)は必ずやってきます。皆さまの新しい一歩が素晴らしいものになるよう、心より応援しております。
もし、「法務局から追加書類を求められたけれど書き方が分からない」「自分の状況が変わってしまって不安だ」という方がいらっしゃいましたら、いつでも当事務所(在留資格・帰化専門の行政書士)までお気軽にご相談ください。