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外国人社員の社会保険|加入義務・ルールとトラブル回避のポイントを専門家が解説

Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

日本で働こうと来日する外国人が増える中、企業の人事担当者様は「外国人社員の社会保険手続きが複雑で分からない」「給与から天引きされる金額について本人から質問され、うまく説明できない」というお悩みも増えているのではないでしょうか。

実は、日本人社員と外国人社員では、社会保険のルールが微妙に異なるケースがあり、ここを理解していないと、後々大きな労務トラブルに発展しかねません。この記事では、外国人社員が安心して日本で働き、企業側もリスクを負わずに雇用を継続するための基礎知識を解説します。

1. 外国人社員はどこまで社会保険に加入すべき?

「外国人は社会保険に入らなくていいのか?」という質問をよく受けますが、答えは「NO」です。日本国内の法人で働く外国人社員も、日本人と同じように社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入対象になります。ただし、以下のケースでは注意が必要です。

・海外の本社と日本法人の両方から給与が出ている場合 日本法人が支払っている給与に基づいて、社会保険の加入判断がなされます。海外本社からの給与は社会保険の算定対象に含まれません。

・海外の法人からのみ給与を得ている場合 日本法人が給与を一切支払っていない場合、日本の社会保険には加入できません。この場合、本人は「国民年金」および「国民健康保険」に加入する義務があります。

2. 注意が必要な「被扶養者」のルール

以前は、日本国外に住んでいる親族でも、送金事実があれば「健康保険の被扶養者」として認定されることがありました。しかし、2020年4月の法改正により、原則として「日本国内に住民票があること」が要件となりました。

つまり、日本国外に住んでいる家族を、外国人社員の健康保険の扶養に入れることは、原則としてできなくなっています。このルールを知らずに手続きを進めると、後で「家族を保険に入れられないのか」といったトラブルになります。

3. 「社会保障協定」という特例ルール

日本と「社会保障協定」を結んでいる国から派遣されている社員の場合、一定の条件を満たせば、日本の社会保険加入が免除されることがあります。特に短期間(5年以内など)の派遣である場合、本国での保険制度が維持されるケースが多いです。免除を受けるためには、本国の社会保険当局から「適用証明書」を発行してもらう必要があるので、派遣元企業としっかり連携しましょう。

4. 本人に「給与明細の見方」を教える重要性

多くのトラブルが、「手取り額」の認識のズレから発生します。 「思ったより給与が少ない」という声の正体は、社会保険料の天引きです。日本では、4月分の社会保険料は5月末の給与から差し引かれます。この仕組みを理解していないと、入社したばかりの外国人社員は「説明と違う」と不信感を抱くことになります。

入社時のオリエンテーションでは、金額の計算方法だけでなく、「なぜ保険料を払うのか」「病院に行った時にどんなメリットがあるのか」まで丁寧に説明することが、離職防止の第一歩です。

5. 昇給や随時改定のタイミングには要注意

社会保険料は、毎年9月に見直されます。ここで注意したいのは、年度の途中で大幅な昇給があった場合です。昇給しても、すぐに保険料が上がるわけではなく、一定の要件(随時改定)を満たさない限り、翌年の8月まで保険料は変わりません。逆に言えば、昇給しても1年間は保険料が据え置きになるメリットもありますが、これを知らないと「給与が上がったのに手取りが増えない」といった誤解が生じやすくなります。

外国人雇用における「よくある質問」Q&A

Q1:帰国する際、これまで支払った年金保険料は戻ってこないのですか?

A:一定期間(6ヶ月以上)日本で年金保険料を支払った外国人が帰国する場合、「脱退一時金」を請求することができます。最大で5年分まで遡って請求可能です。帰国後の生活を守るための大切な権利ですので、本人には必ず伝えてあげてください。

Q2:海外出張で長期不在にする場合、社会保険はどうなりますか?

A:日本国内の事業所との雇用関係が継続しており、出向元である日本法人から引き続き給与が支払われているのであれば、海外勤務中であっても原則として日本の社会保険(健康保険・厚生年金)の加入は継続します。

Q3:外国人も国民健康保険に加入できますか?

A:日本に中長期滞在する外国人は、社会保険(職場の保険)の対象外であれば、必ず国民健康保険に加入する義務があります。加入しないまま放置すると、後で過去に遡って保険料を請求されるリスクがあるため、必ず市区町村の役所で手続きを行うよう指導してください。

おわりに

外国人社員にとって、日本の社会保険制度は複雑で理解しにくいものです。しかし、それは企業にとっても同じリスクを孕んでいます。法令遵守(コンプライアンス)の観点からも、正しい知識を伝え、本人と信頼関係を築くことが、安定した外国人雇用への近道です。

手続きや制度について不明な点があれば社労士、入管業務は行政書士へお気軽にご相談ください。

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Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

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