有益な情報

技能実習から特定技能への移行条件!試験免除になる「良好修了」を専門行政書士が解説

Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

技能実習生として日本で一生懸命働いてきた方や、優秀な技能実習生をそのまま自社で雇用し続けたいと考えている企業様から、「技能実習から特定技能に変更したいけれど、試験は必要なの?」というご質問をよくいただきます。

結論から言うと、技能実習2号を「良好に修了」していれば、特定技能1号へ移行する際の技能試験および日本語能力試験が『免除』になります。

しかし、「自分(あるいは自社の実習生)は本当に『良好に修了』にあてはまるのか?」「試験に落ちてしまった場合はどうなるのか?」など、具体的な条件や手続きで迷うケースは少なくありません。

この記事では、技能実習2号から特定技能1号へのスムーズな移行に必要な「良好修了」の具体的な条件、必要な書類、注意すべきポイントをわかりやすく丁寧に解説します。

1. なぜ「良好修了」だと技能試験・日本語試験が免除されるのか?

通常、特定技能1号のビザを取得するためには、以下の2つの試験に合格する必要があります。

  1. 各分野の技能評価試験(作業スピードや知識を確認するテスト)

  2. 日本語能力試験(JLPT N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト JFT-Basic)

しかし、技能実習2号(または3号)として2年以上日本で実習を重ね、実務経験と日本語での生活経験を積んできた方は、すでに現場で必要なレベルの知識や日本語力を備えていると認められます。

そのため、出入国在留管理庁(入管)のルールでは、技能実習2号を「良好に修了した」と認められる場合、これらの試験を受けることなく特定技能1号へ変更申請を行うことが許可されています。

2. 「良好に修了している」と認められる2つの具体条件

では、具体的にどのような状態であれば「良好に修了している」と判断されるのでしょうか? 法律や入管の基準では、主に次の2つのパターン(条件)のどちらかを満たしていることが求められます。

条件①:技能実習を2年10ヶ月以上行い、技能検定3級等の「実技試験」に合格していること

  • 実習期間:技能実習2号(または旧制度の2号)を2年10ヶ月以上継続して行っていること。

  • 試験合格:技能実習2号の目標である「技能検定3級」または「技能実習評価試験(専門級)」の「実技試験」に合格していること。

※注意:合格が必要なのは「実技試験」です。学科試験に不合格であっても、実技試験に合格していれば「良好修了」の条件を満たすことができます。

条件②:試験に合格していない場合でも「評価調書(評価に関する書面)」があること

もし技能検定3級等の実技試験に落ちてしまった場合や、やむを得ない事情で受検できなかった場合でも、諦める必要はありません。

実習を行っていた企業(実習実施者)が、これまでの勤務実績や生活状況を証明する「評価調書(技能実習2号を良好に修了した旨の評価書面)」を作成・提出してくれれば、試験不合格であっても「良好に修了した」とみなされます。

評価調書には、主に以下のような項目が記載されます。

  • 出勤状況・勤務態度(無断欠勤がなく、真面目に働いていたか)

  • 技能の習得状況(現場で必要な技術をしっかり身につけたか)

  • 日本での生活態度(近隣トラブルや犯罪行為がなく、ルールを守って生活していたか)

実習実施機関が「この実習生は誠実に実習を完了しました」と肯定的な評価をしてくれれば、試験免除の対象となります。

3. 会社の都合で途中で実習ができなかった期間がある場合は?

実習期間中に「会社の業績悪化による倒産や一時休業」「経営上の理由による受入れ停止」など、実習生本人のせいではない理由(帰責性のない事由)で実習ができない期間があった場合はどうなるでしょうか?

この場合、入管ではその事情を柔軟に考慮してくれます。

実際に現場で働いていなかった期間であっても、正当な理由による中断であれば、「実習を行っていた期間」としてカウントに含めることが可能です。そのため、「2年10ヶ月」の計算を満たせなくなる心配はありません。

自身や受入企業の事情で期間に不安がある場合は、申請前に理由書などを準備しておくと安心です。

4. 技能実習と特定技能の「業務の関連性」に注意!

技能実習から特定技能1号へ試験免除で移行するためには、もうひとつ非常に重要な条件があります。それが「業務の関連性」です。

実習で学んだ作業内容と、特定技能として働く職種・作業内容が合致していなければなりません。

  • 関連性がある場合(試験免除)

    • 例:建設(とび)の技能実習修了者 ➔ 建設(とび)の特定技能1号へ移行

    • 例:食品製造(総菜加工)の技能実習修了者 ➔ 飲食料品製造業の特定技能1号へ移行

  • 関連性がない・職種を変更する場合(試験が必要)

    • 例:農業の技能実習修了者 ➔ 外食業の特定技能1号へ移行したい場合

    • このように全く異なる業界へ転換する場合は、技能実習の経験があっても「免除」にはならず、新たに「外食業の技能測定試験」に合格する必要があります(※日本語試験のみ免除されるケースもあります)。

5. これが知りたかった!特定技能移行に関するQ&A(よくある質問3選)

Q1. 一度母国へ帰国してからでも、試験免除で特定技能として日本に戻れますか?

A. はい、帰国後であっても「良好修了」の条件を満たしていれば無試験で再入国可能です!

技能実習2号を良好に修了して母国に一度帰国された方でも、過去の実習履歴(実習修了証明書や技能検定の合格証など)が残っていれば、特定技能1号の在留資格認定証明書(COE)を申請する際に試験免除が適用されます。帰国後数年が経過していても基本的には有効ですので、日本で再チャレンジしたい方は過去の資料を大切に保管しておいてください。

Q2. 技能実習で働いていた会社とは「違う会社」で特定技能として働くことはできますか?

A. はい、転職(別の会社への就職)が可能です!

技能実習制度では原則として転籍(会社を変えること)が制限されていましたが、特定技能1号は「雇用契約」に基づく在留資格ですので、同じ職種分類であれば別の企業で働くことができます。元いた会社から「良好に修了した旨の評価調書」または「実習修了証明書」を発行してもらうことで、新しい会社で特定技能としてスタートを切ることができます。

Q3. 技能検定の学科試験に落ちてしまい、実技試験しか受かっていません。本当に免除になりますか?

A. はい、実技試験さえ合格していれば免除の対象になります!

法律・省令で求められているのは「実技試験」の合格です。学科試験で不合格になってしまっていたとしても、実技試験に合格していれば「技能水準を満たしている」と判断されます。もし実技試験も落ちてしまっている場合は、前述の通り元いた会社に「評価調書」を作成してもらうことで免除申請が可能です。

6. まとめ:確実に特定技能へ変更するために専門家へご相談を

技能実習2号から特定技能1号への移行は、試験免除の仕組みを使うことでスムーズな申請が可能です。しかし、そのためには以下のような書類の準備と確認が不可欠です。

  • 技能検定や評価試験の「合格証」または「評価調書」

  • 過去の実習計画や出勤実績の確認

  • 新しい雇用契約書や特定技能支援計画書の作成

書類の不備や業務内容のミスマッチがあると、入管からの不許可リスクが高まってしまいます。

「自分は試験免除になるのか確認したい」「自社の実習生を特定技能へ切り替える書類作成を任せたい」とお悩みの企業様・外国人の方は、ぜひ在留資格VISA専門の行政書士までお気軽にご相談ください。複雑な手続きをスピーディーかつ確実にサポートいたします!

  • この記事を書いた人

Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

-有益な情報