有益な情報 永住権

【2026年最新】厚生年金30年水準・外国人の永住権許可が厳格化?行政書士が解説

Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

日本に長く住み、将来もずっと日本で暮らしたいと考えている外国人の方にとって、「永住者」の在留資格(いわゆる永住権)を取得することは大きな目標の一つだと思います。

しかし、出入国在留管理庁(入管庁)において、永住許可のガイドラインをより厳しく見直す動きが進んでいます。特に「年金」や「年収(収入)」に関する審査基準がこれまで以上に重視されるようになります。

「自分は永住権をとれるのだろうか?」「具体的に何が変わるの?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本の在留資格VISA専門の行政書士が、永住許可審査の最新の厳格化トレンドと、申請前に必ず知っておくべきポイントをわかりやすく噛み砕いて解説します。

1. なぜ永住許可の審査が厳しくなるのか?

日本の法律(出入国管理及び難民認定法)では、永住許可を出すための基本的な条件として、次の3つを定めています。

  1. 素行が善良であること(法律を守り、真面目に生活しているか)

  2. 独立の生計を営むことができる資産又は技能を有すること(自立して生活できる収入や財産があるか)

  3. その者の永住が日本国の利益に合致すること(税金・社会保険料を払い、日本の社会に貢献しているか)

今回のガイドライン改定案では、特に2つ目の「収入(独立生計)」と3つ目の「国益適合(税金や年金などの社会的義務)」に関する基準が強化される方針となっています。

背景には、日本で暮らす外国人が増加する中で、税金や年金・健康保険などの社会保険料を正しく納めているかどうかの公平性や、日本の社会保障制度の持続可能性を確保したいという政府の意図があります。

2. 新しい審査基準で注目される「年金」と「年収」のポイント

今回の見直しで特に注目されているのが、「日本人世帯の平均を上回る年収」「将来もらえる年金の見込み額(厚生年金30年加入相当)」を求めようとする動きです。

① 年収要件の厳格化

従来から永住申請では「年収300万円以上(扶養家族がいない場合)」が一つの目安とされてきましたが、今後は日本人世帯の平均年収(およそ450万円前後)を意識した、より高い安定性が求められる傾向にあります。 また、扶養家族が1人増えるごとに、必要とされる年収の目安も上がります。単に一時的に稼いでいるだけでなく、「今後も安定してその収入を維持できるか」が厳しく見られます。

② 年金・社会保険の加入と納付実績

これまでは「直近数年間の年金や健康保険を期限内に支払っているか」が確認されていましたが、新しい方針では「厚生年金に長く加入し、将来受け取れる年金額が一定の水準(厚生年金30年加入相当)に達しているか」という将来の生活基盤まで考慮される見込みです。

※注意点として、収入に関する要件の一部は申請時期によってすでに審査に影響を与えているケースもあるため、「来年申請しよう」と考えている方も今すぐ準備と確認が必要です。

3. 永住申請前にチェックすべき「社会保険料・税金」の重要ルール

永住許可の審査において、入管が非常に厳しく確認するのが「支払い期限を守っているか(期日内納付)」です。

どれだけ高い年収があっても、税金や国民年金・健康保険料の支払いが「1日でも遅れたことがある」場合、永住申請が不許可になるリスクが極めて高くなります。

  • 会社員(社会保険・厚生年金)の場合 給料から自動的に天引きされているため、会社が適切に手続きを行っていれば大きな問題になりにくいです。ただし、過去に転職期間があり、一時的に「国民年金」や「国民健康保険」に切り替わっていた時期がある場合は、その期間に未納や支払いの遅れがなかったかが厳しくチェックされます。

  • 個人事業主・経営者・フリーランスの場合 自ら銀行やコンビニ、口座振替で納付する必要があるため、納付期限を過ぎてしまった履歴が残っていないか特に注意が必要です。確実に口座振替(自動引き落とし)を設定しておくことを強力にお勧めします。

4. 専門家が教える!今からできる永住権取得のための対策

審査が厳格化されるからといって、外国人の方全員が永住権を取れなくなるわけではありません。正しい知識を持ち、事前に準備を整えておけば許可の可能性を高めることができます。

  1. 自身の年収と扶養人数のバランスを見直す 安易に家族(母国の親など)を扶養に入れすぎると、節税にはなりますが永住審査では「1人あたりの手取り収入が少ない」と判断され不利になることがあります。

  2. 年金記録・納税証明書を事前に取得して確認する 「ねんきん定期便」や「年金ネット」、市区町村発行の「課税証明書・納税証明書」を自分で確認し、未納や納期限遅れがないかチェックしましょう。

  3. 転職のタイミングに注意する 永住申請の直前に転職すると、「収入の継続性・安定性」がまだ証明できていないと判断されることがあります。転職後、最低でも1年〜2年以上経過して仕事が落ち着いてからの申請が望ましいです。

5. よくある質問(Q&A)

Q1. 税金や年金を過去にうっかり遅れて払ってしまったことがあります。もう永住申請は無理でしょうか?

A. すぐにあきらめる必要はありませんが、時間を空ける必要があります。 過去に一度でも納期限を過ぎて支払った履歴がある場合、その直後に申請しても不許可になる確率が非常に高いです。しかし、その後数年間(概ね2年〜3年以上)、一度も遅れずに期日通りに支払い続けた実績を積み重ねることで、再び申請して許可を得る道が開けます。

Q2. 会社員(技人国など)ですが、年収がいくらあれば安心ですか?

A. 単身者であれば年収400万円~450万円以上が目安となります。 扶養家族(配偶者や子供)がいる場合は、扶養者1人につき約70万〜80万円程度の上乗せが必要と考えられます。ただし、年収だけでなく「勤務先の安定性」「勤続年数」「今後の昇給の見込み」なども総合的に審査されます。

Q3. ガイドラインが改定される前に申請すれば、古い基準で審査してもらえますか?

A. 基準の運用時期によりますが、早めの準備と申請が鉄則です。 入管庁の発表によると、ガイドラインの本格的な適用は順次進められますが、収入基準など一部の要素については発表以降の申請に即時反映されるケースもあります。「少しでも条件が整っているなら、早めに専門家に相談して申請準備を進めること」が最も安全な対策です。

6. まとめ:永住権の申請は事前準備が成功のカギ

今回のガイドライン改定案に見られるように、日本の永住審査は「税金や年金をしっかり納め、安定した収入で自立して暮らせる外国人」を厳選する方向へ確実に進んでいます。

条件が厳しくなったからこそ、自己判断で申請して不許可になってしまうリスクを避けることが重要です。自分の現在の状況(年収、年金加入履歴、居住年数など)がクリアできているか不安な方は、申請前にビザ専門の行政書士へ相談することをお勧めします。

  • この記事を書いた人

Kazuto Sato

行政書士 在留資格(VISA・永住権・帰化申請)・国際離婚業務を専門に扱っております

-有益な情報, 永住権